...彼女の顔に一抹の不安が浮かんでいた...
...試験に一抹の不安を感じている...
...彼の表情に一抹の寂しさが感じられる...
...彼女は笑いながら一抹の悲しみを隠していた...
...初めての成功に一抹の感動を覚えた...
...その高級自動車は一抹の紫の煙を残して...
海野十三 「深夜の市長」
...一抹(いちまつ)の疑念(ぎねん)を生んだ...
海野十三 「月世界探険記」
...とかくするうち東の空白み渡りて茜(あかね)の一抹(いちまつ)と共に星の光まばらになり...
寺田寅彦 「東上記」
...どこかに水はありはしないかという一抹の希望を抱きながら...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...二本松のあたり一抹(いちまつ)の明色は薄墨色(うすずみいろ)に掻(か)き消されて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...一抹の疑惑を懐かせられて...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...なにか夢を追い求める一抹の気が...
豊島与志雄 「高尾ざんげ」
...」そして彼女は一抹の微笑を浮べた...
豊島与志雄 「非情の愛」
...一抹の陰影があることは疑いもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...買收云々のことがまだ彼等の念頭に一抹の疑圖を殘して居るのであつた...
平出修 「計畫」
...その時心を走つた一抹の寂しさがあつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...一抹のきれいな雲に似た心の動きをよく捉えたものです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その一抹の半円を...
三好達治 「測量船」
...まったく霊魂は、この敵を恐れる限りとうてい落ちついていることはできないが、ひとたびこれに対して覚悟ができれば(もっともそれはいわば人間わざを凌駕することであるが)、そうなれば、もう、不安も苦悶も、恐怖も、一抹の不快も、ここには宿ることができないぞ、と威張ることができるのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...碧空(へきくう)をかすめた一抹(まつ)の煙を見ると...
吉川英治 「三国志」
...どうしたことか」と、やがてはまた、一抹の不安と、時たつほど、重たい焦慮(しょうりょ)になっていた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...大事の曙光(しょこう)に一抹(まつ)の黒き不安を捺(な)すってしまった! もし向後(こうご)渭山(いやま)の城に妖異のある場合はいよいよ家中の者に不吉を予感さするであろう...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...寂しいものが一抹(まつ)常に横たわっていた事は争えなかった...
吉川英治 「源頼朝」
便利!手書き漢字入力検索