...彼女の顔に一抹の不安が浮かんでいた...
...試験に一抹の不安を感じている...
...彼の表情に一抹の寂しさが感じられる...
...彼女は笑いながら一抹の悲しみを隠していた...
...初めての成功に一抹の感動を覚えた...
...女王は今死んで行く……そう思うとさすがに一抹(いちまつ)の哀愁がしみじみと胸をこそいで通った...
有島武郎 「或る女」
...一抹(いちまつ)の疑念(ぎねん)を生んだ...
海野十三 「月世界探険記」
...一抹(いちまつ)の紫色がかった雰囲気(ふんいき)がこの盛り花の灰色の団塊の中に揺曳(ようえい)するような気がした...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...やがてただ一抹(いちまつ)の薄い煙になってやがて消えてしまった...
寺田寅彦 「雑記(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...歌麿の裸体画には解剖の根柢完全に具備せられたれどその一抹(いちまつ)一団(いちだん)の中(うち)に節略せられたる裸形は書体風(カリグラフィック)の線によりて凡(すべ)て局部の細写(さいしゃ)を除きたるがため...
永井荷風 「江戸芸術論」
...芦名兵三郎の上に一抹の疑いを掛けて居るのでしょうか...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...買收云々のことがまだ彼等の念頭に一抹の疑圖を殘して居るのであつた...
平出修 「計畫」
...何か自分の生い立ちにも一抹(いちまつ)の云いしれず暗い翳(かげ)のかかっているのを感ずるが...
堀辰雄 「花を持てる女」
...吾に一抹の悔も残らざらむ...
牧野信一 「青白き公園」
...一抹の誇りも持たない者なのです...
牧野信一 「鏡地獄」
...その一抹の半円を...
三好達治 「測量船」
...此恨は初め一抹の雲の如く我心を掠めて...
森鴎外 「舞姫」
...まだ一抹の叙情を残しているのはここだけだ...
横光利一 「欧洲紀行」
...一抹(まつ)の墨気(ぼっき)を刷(は)いたような冷たいきびしさが...
吉川英治 「大岡越前」
...そこに一抹の暗影を感じないわけにはゆかなかった...
吉川英治 「三国志」
...どこかに一抹(いちまつ)...
吉川英治 「新書太閤記」
...しかし一抹(まつ)の淋しさがないでもない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...一抹の哀愁にとらわれて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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