...彼女の顔に一抹の不安が浮かんでいた...
...試験に一抹の不安を感じている...
...彼の表情に一抹の寂しさが感じられる...
...彼女は笑いながら一抹の悲しみを隠していた...
...初めての成功に一抹の感動を覚えた...
...たちまち白熱する一抹の煙になって……...
海野十三 「発明小僧」
...陽気は陽気ながらも一抹の暗影が気力にも顔色にもにじむように浮出して来て...
大阪圭吉 「三狂人」
...一抹の鬱陶しさを湛(たた)えているような気がしてならなかった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...一抹の疑惑を懐かせられて...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...額にかすかな一抹の蔭がありました...
豊島与志雄 「旅だち」
...だから俺にも一抹の疑念が起ろうじゃないか...
豊島与志雄 「囚われ人」
...天空濃藍に凝って僅かに一抹の巻雲を浮べ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...江差追分(えさしおいわけ)から安来節(やすきぶし)までの港々の民謡に一抹の基調が通っているのはそのためである...
服部之総 「望郷」
...極めておだやかなうちに一抹の苦みをもって...
「おもかげ」
...頼襄の生涯は猶一抹の横雲に其中腹を遮断(しやだん)せられたる山の如くなれり...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...その五十幾歳を一期として死んで行く間際に当って一抹の哀愁の場面が点綴(てんてつ)されることになったのはコトワリセメて是非もない次第であった...
夢野久作 「近世快人伝」
...ひやりと一抹(いちまつ)の不安を覚えるのはどうしたことだろうか...
横光利一 「微笑」
...一抹の憂鬱さを沁み込ませて来るのだった...
横光利一 「旅愁」
...一抹(まつ)のさびしさを覚えたのである...
吉川英治 「剣の四君子」
...ただ一抹(まつ)のさびしさは...
吉川英治 「三国志」
...その一抹(まつ)な危惧は...
吉川英治 「私本太平記」
...しかし一抹(まつ)の淋しさがないでもない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...日本皇室史に一抹の陰影を長く曳いている...
吉川英治 「随筆 新平家」
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