...彼女の顔に一抹の不安が浮かんでいた...
...試験に一抹の不安を感じている...
...彼の表情に一抹の寂しさが感じられる...
...彼女は笑いながら一抹の悲しみを隠していた...
...初めての成功に一抹の感動を覚えた...
...女房は何故か一抹(いちまつ)の疑心(ぎしん)を感じて...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...新しい政党内閣の出発に一抹の陰影のまつわることをも遺憾としたからである...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...それでも一抹(いちまつ)の濃い靄はなお白くその辺を逍遥(さまよ)うていた...
高浜虚子 「別府温泉」
...空に一抹の雲もなかつた...
太宰治 「道化の華」
...一抹(いちまつ)の透明な感傷のただようのを感じた...
寺田寅彦 「柿の種」
...とかくするうち東の空白み渡りて茜(あかね)の一抹(いちまつ)と共に星の光まばらになり...
寺田寅彦 「東上記」
...なにか無理なところと一抹の曇りとを彼に見出してはいたが...
豊島与志雄 「三木清を憶う」
...一抹(いちまつ)の美しさがその十六歳の顔の上に漂っていて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...一抹(いちまつ)の淋しいものの漂うのに堪えられない気持がしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...天空濃藍に凝って僅かに一抹の巻雲を浮べ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...一抹(いちまつ)に岸を伸(の)して...
夏目漱石 「虞美人草」
...江差追分(えさしおいわけ)から安来節(やすきぶし)までの港々の民謡に一抹の基調が通っているのはそのためである...
服部之総 「望郷」
...その上かならず一抹(まつ)の哀愁を帯びているものだ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...思わず胸の中を一抹の微笑が流れた...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...虚無の胸のかげの一抹(いちまつ)がすうつと蠱惑(アムブロウジアル)の 翡翠に ながれたやがて...
八木重吉 「秋の瞳」
...孔明の身辺に一抹の凶雲がまつわって来つつある間に...
吉川英治 「三国志」
...一抹の航跡を曳(ひ)いて...
吉川英治 「随筆 新平家」
...陸地の尽(つ)くる所青煙(せいえん)一抹...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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