...これらの國立、私立の大學の總長は、その大學の首班の位置に居つて、外に對しては代表者となり、内においては行政をつかさどるが、學者として教授として、めいめいに專門があるから、その專門の講義を擔任しながら、總長を引き受けて行くのが本筋で、教育行政の專門家とか、總長業者といふやうな人たちが、一手に、永久的に、この位置を占據してしまふべきものではない...
會津八一 「大學とその總長」
...その上万一手に余れば...
芥川龍之介 「二人小町」
...外に官衙(やくしよ)や銀行会社などの印刷物を一手に引受けてやつて居るので...
石川啄木 「菊池君」
...奈破翁(ナポレオン)がついに一手にこれを統(す)ぶるということになったのである...
大隈重信 「日支親善策如何」
...服部さんの後一手に引受けて百版まで売り弘めた野村さんの手を「みみずのたはこと」が今更離れると云うは...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...一手に有するものなり...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...全国の納本をわが館で一手に引受けて...
中井正一 「国立国会図書館」
...読本(よみほん)といった種類のものをこみで一手に集めて来たものらしいから...
中里介山 「大菩薩峠」
...あれを一手に築いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...表裏入口を一手に預つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大人三人前を一手に引うけて鼻歌交り遣つて除(の)ける腕を見るもの...
樋口一葉 「わかれ道」
...天(あめ)が下にありとある名流を一手に引き受け...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...それが一一手に取つて見えるやうにも感ぜられるのであつた...
平出修 「夜烏」
...公儀御一手にて御引請相成...
福澤諭吉 「御時務の儀に付申上候書付」
...数千百年の古(いにしえ)より全国の権柄を政府の一手に握り...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...その心臓となるべき浦塩(うらじお)の金融機関を米国の一手に掌握し...
夢野久作 「暗黒公使」
...信忠卿と一手にならん」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...自分の一手に占(し)められる――と...
吉川英治 「新書太閤記」
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