...彼女はほとんど失神せんばかりになっていっそう激しく廻していたが、腰や腿が痛むばかりではなく、二つの臂の力もなえて来たので、知らず知らず身を縮め、頭を高い山にもたせ、緑したたる黒髪を山の頂に載せ、一息つくと、両眼を閉じた...
魯迅 井上紅梅訳 「不周山」
...右に左に、折り返し、繰り返して山頂に攀じ、零時三十五分、三角点の下につき、ほっと一息つく...
鵜殿正雄 「穂高岳槍ヶ岳縦走記」
...此停車場に一息つくかと思ふと...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...ここで立止って、一息つくのだが、更にすぐ頭上には、一層大きな岩石が一つ、威嚇するようにつき出ている...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...脆(もろ)かったなあ」五人のものもホッと一息つく...
中里介山 「大菩薩峠」
...一息つく間もなく...
中谷宇吉郎 「ピーター・パン」
...ほっと一息つく間もなく車はすでに坂を下りて平地にあり...
夏目漱石 「自転車日記」
...挨拶(あいさつ)などもただ咽喉(のど)の処へせり上って来た字を使ってほっと一息つくくらいの仕儀なんだから向うでこっちを見くびるのは無理はないが...
夏目漱石 「倫敦消息」
...ほつとして一息つくと...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...一息つくとそのまゝ向ひ側に降りて行つたので...
牧野信一 「南風譜」
...更に隙を縫うて向(むか)ひの人道(じんだう)へ駆け上(のぼ)り又ほつと一息つく気持は然(さ)は云へ痛快だ...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...ほっと一息つくと...
吉川英治 「三国志」
...……まずこれまで」と、ほっと、一息つくと共に、綿のように疲れた体を、一室の榻(とう)に倚せて、居眠るともなく、うつらうつらとしていた...
吉川英治 「三国志」
...一息つくとしよう」雑兵たちは...
吉川英治 「新書太閤記」
...ほっと一息つく間に...
吉川英治 「新書太閤記」
...ぼくらは、ほっと、一息つく...
吉川英治 「随筆 新平家」
...やれやれと一息つく...
吉川英治 「随筆 新平家」
...――だが、足を止めて、一息つくとすぐ、なにかしら後ろで自分を呼ぶものがあった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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