...上京したい一念からで...
高見順 「いやな感じ」
...たしかにあたしは死ぬる前にいまいちどあたしの美しい母に逢いたい一念からだったのでした...
太宰治 「冬の花火」
...後者に依れば父の耻辱をそゝぐ一念から恐ろしい望みを起したものゝ...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...「憎い一念から貴樣はそんなことを……大かたそんなことでも言い出すつもりだろうと...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...だいじな役目を私といつしよに果さうとの一念から...
豊島与志雄 「鬼カゲさま」
...彼女は愛という一念から気をそらすことができなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自分の好学の一念から...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただ空恋しさの一念から腰が据わらず...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...彼等は子供の欲しい一念から...
橋本五郎 「地図にない街」
...なんとかしなければという一念から...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...小供可愛いさの一念から崖道...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...いずれも最初に衝こう咬もうという一念から牛羊の始祖は角...
南方熊楠 「十二支考」
...さきにテルモピュライの戦いの折に叱責されたその恥をすすごうとの一念から発したもの...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...事は故翁から習ったに過ぎない一教授佐藤文次郎氏の謝恩の一念から起り...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...こうした良心の苛責を忘れたいという一念からではなかったか……自分が死刑立会人である苦痛を忘れるために...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その奴隷(どれい)根性の一念から怖るべき仕返しをこころに企んで...
吉川英治 「三国志」
...あさはかにも欲しい一念から堅い口をききましたのでしょう...
吉行エイスケ 「女百貨店」
...しかしそれも私の胸にある一念から余儀なくああしなければならなくなったのでして……私の夫の讐(あだ)を晴らしたいばっかりに……ええ...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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