...一心不乱にせっせと少しばかりのこわれおもちゃをいじくり回していた...
有島武郎 「或る女」
...いよ/\一心不乱に壇の浦の合戦を語りつゞけました...
稲垣巖 「父八雲を語る」
...ぐるぐるの櫛巻にして一心不乱に先生の画風を学んだり...
上村松園 「三人の師」
...皇太后陛下の思召によります三幅対の制作に一心不乱になっております...
上村松園 「無表情の表情」
...彼はこの困難な仕事を一心不乱にやりつづけた...
海野十三 「蠅男」
...これは後の話ですが、ぼく達が帰国する日も迫った頃(ころ)、ぼくは日本への土産(みやげ)に、自動車のナムバア・プレェトが欲(ほ)しく、それをこのリンキイに頼(たの)みますと、その日、子供に借りた自転車で、附近(ふきん)を乗り廻(まわ)していたぼくの瞳に、道路の真中で、五六人の少年少女が集まり、リンキイが先に立って、なに事か、一心不乱に、働いているのがみえました...
田中英光 「オリンポスの果実」
...だから一心不乱に自己を表出しようとする芸術家は即ち無意識の間に国民の要求を実現させつつあるものである...
津田左右吉 「芸術と国民性」
...うつくしき、極(きわ)みの歌に、悲しさの、極みの想(おもい)、籠(こも)るとぞ知れ」なるほどいくら詩人が幸福でも、あの雲雀のように思い切って、一心不乱に、前後を忘却して、わが喜びを歌う訳(わけ)には行くまい...
夏目漱石 「草枕」
...一心不乱に少女の頭の上に乗(の)しかけるように翳(かざ)して...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...この梅干が出るのを楽しみに塩気のない周囲を一心不乱に食い欠いて突進するんだと云うが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...一心不乱にやっており...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...しかし一心不乱に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「鉄道事故」
...一心不乱にその方をほどきに懸る内...
南方熊楠 「十二支考」
...薄白痴(うすばか)のマユミが一心不乱に土の上を這いまわって行くのを...
夢野久作 「巡査辞職」
...なおの事一心不乱になって考え続けて行く...
夢野久作 「暗黒公使」
...一心不乱に斬って斬って切り結んでいる...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...一心不乱に何やら呪(じゅ)を唱えているほか...
吉川英治 「源頼朝」
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