...しかし幽霊でも己(おれ)が一廉(いっかど)の世話をしてやったから...
泉鏡花 「活人形」
...内地で一廉(ひとかど)の仕事が出來るものが移住して來たからであらうが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...この新しい味方が一廉(かど)の役に立つ人間だということは...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...彼処(あそこ)の家の一族は兄さん達でも叔父さんなどでも皆一廉(ひとかど)の極道(ごくどう)者であり...
谷崎潤一郎 「細雪」
...『埋木』と『即興詩人』とは、当時、苟くも文学に志してゐるものゝ読まぬものはないといふ位に評判のあつた作で、一廉の作家達も、それに由つて裨益されることが多かつた...
田山録弥 「明治文学の概観」
...この男のことをその田舎では一廉(ひとかど)の財産家の息子ででもあるかのように...
徳田秋声 「あらくれ」
...一廉(いっかど)の食通であり...
徳田秋声 「縮図」
...ここに枕を並べた者共もみな一廉(ひとかど)の剣術じゃ...
中里介山 「大菩薩峠」
...一廉(ひとかど)の注意人物でない限りはありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...一廉の画家のような口をきいて...
中谷宇吉郎 「硯と墨」
...伯父は一廉(ひとかど)の見識をもっていた...
中谷宇吉郎 「由布院行」
...一廉の歌人となり...
原勝郎 「日本史上の奧州」
...一廉(ひとかど)のチャンタン(高原人)らしい見かけになった...
久生十蘭 「新西遊記」
...官僚の砥石で研ぎあげられた一廉の練達だから...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...世間は俺を一廉の働手にしてしまつた...
平出修 「瘢痕」
...下村などと一廉の文科生振つた口を利くやうになつたが...
牧野信一 「文學的自叙傳」
...一廉(ひとかど)のものの積(つもり)でいます...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...分別盛り以上の年輩で一廉(ひとかど)の服装をして髯(ひげ)なぞを生やしている人が...
夢野久作 「謡曲黒白談」
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