...こんなことにも一寸したこだはりを感ずるのは...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...一寸した機会にすらも乗せられる自分をかなしまずにはゐられません...
伊藤野枝 「九州より」
...この一寸した催しは...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...一寸した頭痛持を癒(なほ)したりしてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...これなどもまあ一寸した思(おも)ひ付(つき)の戯(いたづら)だ...
薄田泣菫 「茶話」
...ここにも心中者が一組ゐる……」私は婦人雑誌記者のやうに一寸した感傷的な気持になつて...
薄田泣菫 「独楽園」
...一寸した料理とビールとを取った...
豊島与志雄 「足」
...胎児剥離の手術は一寸した肉体上の事件に過ぎない...
豊島与志雄 「意欲の窒息」
...そして何かが……単に彼女自身でもなくおばさんでもないだろう……何かが、可哀そうだという気持で、而もそこに朗かに立ってる彼女は、一寸したことで、ひどい莫連に向うか生真面(きまじめ)に向うか、どうせ中途半端ではすみそうもない、危い瀬戸際にあるようだった...
豊島与志雄 「死の前後」
...口元の一寸したたるみ...
豊島与志雄 「電車停留場」
...俺のことなんかはもうどうでもいいのだ!一寸した用事を頼んでも...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...そんな一寸したことにも...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...始め一寸した行違ひから...
原民喜 「背後」
...一寸した間違いのために...
平林初之輔 「犠牲者」
...一寸した時の彼の癖で...
牧野信一 「冬の風鈴」
...それはごくほんの一寸の出来心で世間知らずの娘が一寸したことで死にたい死にたいと云って居ながら死なないで居ると同じな事でやっぱりそれを実行するほどすんだ頭をもって居なかった...
宮本百合子 「お女郎蜘蛛」
...お礼の手紙や一寸したおくりものへの答えは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一寸した風も精神の葉裏をひるがえすというようなところがあります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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