...一寸した硝子(ガラス)窓の光とか...
芥川龍之介 「東京に生れて」
...一寸した枝も――無数の硬い...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...鶴子の一寸した表情の動きをも注意してゐた...
犬養健 「朧夜」
...多分それは一寸した好奇心からだったろう...
江戸川乱歩 「心理試験」
...ここにも心中者が一組ゐる……」私は婦人雑誌記者のやうに一寸した感傷的な気持になつて...
薄田泣菫 「独楽園」
...ほんの一寸した雲の切目から薄い日の光が...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...一寸した用件のついでに...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...あれはただ一寸したお話で...
豊島与志雄 「死の前後」
...雨の降るらしい音が一寸したので...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...ほんの一寸した知らない所へ行く位が...
牧野信一 「お蝶の訪れ」
...犬殺しの考え一寸した遠慮から...
松永延造 「職工と微笑」
...まあ一寸したことの行き違いだから勘弁してくれ給え」と頭を下げた...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...それはごくほんの一寸の出来心で世間知らずの娘が一寸したことで死にたい死にたいと云って居ながら死なないで居ると同じな事でやっぱりそれを実行するほどすんだ頭をもって居なかった...
宮本百合子 「お女郎蜘蛛」
...この一寸した満足感を喋るのだけ何卒(なにとぞ)苦笑して黙ってきいていらして下さい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...クリームとなっている一寸した消毒薬を三チューブ買って来て持たせました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一つ家にいて、あとからあとから忘れながら話しているようないろんなこと、一寸したこと、そして笑ったりすること、こういう流れるものは手紙にはなかなかのらないものですね、笑いというのが土台曲者だから、つかまえるに楽でない、それに字になると、笑いが又笑いをさそい出す味が消えてしまって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...Oのことについておっしゃった一寸した言葉が...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一寸したり道をもようせずに通つてゐたのが二三ヶ月以上も續いた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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