...一寸した空地に高さ一丈位の木が立つてゐて...
石川啄木 「弓町より」
...一寸した旧家で源治などよりも余計に田をつくつている裕福な家であつた...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...それに先生は新しい詩や歌についての一寸した評論見たやうなものをくれたりした...
伊藤野枝 「惑ひ」
...M駅には一寸した温泉場がありますので...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...ほんの一寸した傷がある丈けなんですが」「そうそう...
江戸川乱歩 「心理試験」
...5.此の懷中時計は一寸した曰く付きの代物だ...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...山茶花(さざんか)小さな金剛纂(やつで)なぞ植え込んだ一寸した小庭が出来て居て...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...一寸した料理とビールとを取った...
豊島与志雄 「足」
...一寸した冷込みでしょうから...
豊島与志雄 「変な男」
...一寸した細工の上の無精と一寸した貪慾とに過ぎなかったのだ...
中島敦 「南島譚」
...一寸したことでは取れさうもなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...Aだって僕だってそう馬鹿ではないのですよ」一寸した沈黙の後衣川がおごそかに云った...
浜尾四郎 「正義」
...一寸した家庭生活上の逆境で...
牧野信一 「素書」
...彼は二三日前に一寸した腫物か何かで入院したのであるが...
水野仙子 「輝ける朝」
...一つ家にいて、あとからあとから忘れながら話しているようないろんなこと、一寸したこと、そして笑ったりすること、こういう流れるものは手紙にはなかなかのらないものですね、笑いというのが土台曲者だから、つかまえるに楽でない、それに字になると、笑いが又笑いをさそい出す味が消えてしまって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一寸した絵ハガキを見ても当時の人がテーマと題材に就てどんなに真面目に考えて居たか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...こういう実に一寸した云いまわしで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...裏には一寸した室が二つか三つ以上ある...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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