...一字一句の意味よりも...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...園は念を入れてその一字一句を読みはじめた...
有島武郎 「星座」
...二葉亭の『あいびき』は殆んど原作の一字一句をも等閑(なおざり)にしない飜訳文の新らしい模範を与えた...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...「あの時分はツルゲーネフを崇拝して句々皆神聖視していたから一字一句どころか言語の排列までも原文に違(たが)えまいと一語三礼の苦辛(くしん)をした...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...作家たるもの、またこの現象を黙視し得ず、作品は二の次、もっぱらおのれの書簡集作成にいそがしく、十年来の親友に送る書簡にも、袴(はかま)をつけ扇子(せんす)を持って、一字一句、活字になったときの字づらの効果を考慮し、他人が覘(のぞ)いて読んでも判るよう文章にいちいち要(い)らざる註釈を書き加えて、そのわずらわしさ、ために作品らしき作品一つも書けず、いたずらに手紙上手の名のみ高い、そういうひとさえ出て来るわけではないか...
太宰治 「もの思う葦」
...フィリップ殿下の血と涙が一字一句ににじんで...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...一字一句も読みおとさないようにその記事を黙読した後...
永井荷風 「ひかげの花」
...私の一字一句に私と云うものがつきまつわっておってどうかして笑わせてやろう...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...「一字一句も書かない白紙の手紙――世の中にこんな恐しいものはございません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...田中氏の一字一句いやしくせぬ訳筆と相まって近来会心の書物であった...
平林初之輔 「ルヴエルの『夜鳥』」
...それはドイツの小説の一字一句を訳して...
プーシキン Alexander S Pushkin 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...書中の一字一句、もって人心を左右するにたるものなりとすれば、君臣の義理固き我が国において、十二君に歴事し公山仏(こうさんひっきつ)の召(めし)にも応ぜんとしたる孔子の書を読むもまた不都合ならん...
福沢諭吉 「徳育如何」
......
槇村浩 「人民詩人への戯詩」
...拙文中の一字一句はみな悠久のなつかしい哀しいおもひでとなり果てた...
正岡容 「「東京恋慕帖」自序」
...一字一句も間違わなかったという...
山本笑月 「明治世相百話」
...一字一句の書直しや消しもなく...
山本笑月 「明治世相百話」
...朝日新聞時代に毎日書く原稿が一字一句も訂正しないで例の名文をあっさり書き流すほどの才筆...
山本笑月 「明治世相百話」
...一字一句が物狂おしいばかりの真実性に充たされている点...
米川正夫 「クロイツェル・ソナタ」
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