...一夏をすごしたことがあるんですがね...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「眠りの精」
...一僕は一夏を国府津(こうづ)の海岸に送ることになった...
岩野泡鳴 「耽溺」
...房州に於ける一夏...
大町桂月 「房州の一夏」
...一夏過したお増の様子がめっきり変っていた...
徳田秋声 「爛」
...中学時代に一夏をそのような寒村に送ったことがある...
中谷宇吉郎 「雑魚図譜」
...一夏の燃ゆる陽ざしが あるとき ためらいがちに芙蓉の葉うらに縺れていた 燃えていった夏 苦しく美しかった夏 窓の外にあったもの死別れまたたちかえってくるこの美しい陽ざしに今もわたしは自らを芙蓉のようにおもいなすばかり彼は鏡台とか箪笥とか...
原民喜 「遥かな旅」
...薄い舌でべらべら口から出任せのを一夏しやべり続けた罰に凡ての木の葉を打ち落してしまふぞといふ木枯しの妄語戒は厳しい...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...ここに掘立小屋のやうなものを建てて一夏を過ごしたことから筆を起すつもりでゐますが...
堀辰雄 「匈奴の森など」
...一夏の夕暮であった...
松本泰 「緑衣の女」
......
松本たかし 「松本たかし句集」
...すぎかけたこの一夏を顧ると...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一夏潮風に吹かれて...
森林太郎 「身上話」
...一夏中を通して立てておくというに反して...
柳田国男 「年中行事覚書」
...一夏目吉信(なつめよしのぶ)(次郎左衛門(じろうざえもん))が駈けつけたとき...
山本周五郎 「死處」
...私はこの一夏西洋史を読み返し...
横光利一 「静安寺の碑文」
...一夏を都会で過ごすと...
横光利一 「琵琶湖」
...これもまた或一夏の休みを送つたサボアの谿谷にての忘られぬ思ひ出である...
吉江喬松 「山岳美觀」
...鹿沼(かぬま)の、博奕打(ばくちうち)、玉田屋の酉兵衛(とりべえ)は、この一夏で、日光の出開帳(でかいちょう)から上げた寺銭の大部分を、今、連れてゆく、孫のようなお八重の身代金に、投げだしたといわれていた...
吉川英治 「無宿人国記」
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