...葉子は長い航海の始終(しじゅう)を一場の夢のように思いやった...
有島武郎 「或る女」
...唯だ是れ一場の夢かと思はるゝ程なりき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...それが一場の夢幻と消え去つた時...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...これは今のところでは一場の夢物語のようであるが...
寺田寅彦 「地図をながめて」
...埒(らち)もない一場の夢はここに尽きて老いたる妻がおのれを呼覚(よびさま)しているのであった...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...それこそ一場の夢にすぎない...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...やがては一場の夢として思い返される日もあるであろう...
中谷宇吉郎 「八月三日の夢」
...それ以上の境遇は一場の夢としか思えなかった...
西田幾多郎 「或教授の退職の辞」
...栄辱(えいじょく)得失もここに至っては一場の夢に過ぎない...
西田幾多郎 「我が子の死」
...すべて一場の夢さ...
オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 「ルバイヤート」
...だがそんなことはすでに過去一場の夢で...
羽田亨 「聚樂廻り」
...正(まさ)にこれ火打箱(ひうちばこ)の隅(すみ)に屈伸(くっしん)して一場の夢を見たるのみ...
福沢諭吉 「旧藩情」
...この全体は一場の夢以上のものではなく――想像の幻想にすぎない...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...げに物思う折の現(うつつ)はまた一場の夢なりかし...
三宅花圃 「藪の鶯」
...一場の夢幻となってかき消えた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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