...「一口に云えば――」と...
海野十三 「夜泣き鉄骨」
...病人は鶴が水を飲むやうな口つきをして美味(うま)さうに一口に飲みほした...
薄田泣菫 「茶話」
...鼠はたつた一口に頬張つて...
薄田泣菫 「茶話」
...増田は「僕は飮めん」と言つて大きな竹の子を一口に頬張る...
高濱虚子 「俳諧師」
...揺れ通しで――つまり一口に言うと...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「グーセフ」
...……空虚と一口に云うが...
豊島与志雄 「裸木」
...一口に折助と言ってしまうけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...それを一口にいうと教育を受けるものがことごとく偽善家であった...
夏目漱石 「三四郎」
...一口に言えば、社会という監獄の中の、刑務所という小さい監獄です...
葉山嘉樹 「牢獄の半日」
...前夜走るように書院に入ってきて褥(しとね)につくと、甲斐守は手焙(てあぶり)にもよらず、いきなり、「委細は、すでに、組頭、柚木伊之助(ゆのきいのすけ)から聞きおよんだであろうが、なんとしても、このたびのことは、容易ならぬ仕儀」と、一口に言うと、端正な面をあげて見すえるように相手の顔を眺める...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...一口にいえば、飛んでもない乱暴狼藉をはたらいた訳ですわ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...磨きもかけられてしまった――一口にいえば...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...もう資本のはけ口も大ていつまったさうぢゃないかね」僕はあっけらかんとしてとう/\サヴェート同盟を東西から攻撃しはじめた二人を見守った「それでは」と僕は尋ねた「君らの僕に対する忠告に一口にいへばなんといってしかるべきだらう?」ばっと...
槇村浩 「長詩」
...それから今の人は一口に消化器が悪いという...
村井弦斎 「食道楽」
...大層結構です」大原も「これは乙(おつ)だ」と一口に飲み干さんとするを主人は劇(あわ)てて「大原君...
村井弦斎 「食道楽」
...一口に話すとこうですね...
吉川英治 「小説のタネ」
...一口に真珠といってもじつに千差万別でしてな...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「真珠の首飾り」
...その欠点は一口にいえば科学的精神の欠如であろう...
和辻哲郎 「鎖国」
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