...自分と省作との関係を一口に淫奔(いたずら)といわれるは実に口惜(くや)しい...
伊藤左千夫 「春の潮」
...大変なお話って?」「一口には云えないのです」「なんですか?」「順序を追って話さなくては解りません...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...一口に古羅馬と申しましても決して一つの民族が...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...それを掻き集めて一口に飲んでしまった...
田中貢太郎 「怪しき旅僧」
...そこに、一口にいえば、こんな風にガッツいていないタイプの組長に逢って、私は嬉しかった...
田中英光 「野狐」
...後者のほうには一口には説明のできない深い暗示があり不思議なアトモスフェアがあるのである...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...一口に云って差しつかえのないと思う特徴は...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...夫人は一口に云い払った...
夏目漱石 「明暗」
...一口に金座人という改役...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...一口に言えば、何ひとつ訊き漏らさなかったのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...一口に云へば日本は未だ眞に開化の獨立國と稱す可らずとて之を心配することなり...
福澤諭吉 「亞細亞諸國との和戰は我榮辱に關するなきの説」
...勞働者勞働者と一口に賤(いやし)んだツて...
三島霜川 「虚弱」
...一口にいう言葉のうちに...
三田村鳶魚 「中里介山の『大菩薩峠』」
...一口に云えば、自分は「人」から思想を抽象するのではなく、逆に、思想を人に割当て、或る概念の偶像を拵らえようとしていたのだとも云えるだろう...
宮本百合子 「概念と心其もの」
...それから今の人は一口に消化器が悪いという...
村井弦斎 「食道楽」
...一口に言うなれば...
森於菟 「オフ・ア・ラ・コック・ファンタスティーク」
...怒ったりする……一口に申せば極めて気の変り易い...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...それを一口にいうと「粘(ねば)り」であった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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