...一口に岩登りといっても難易はいろいろだが...
石川欣一 「山を思う」
...即ち一口に云へば毛房が布地になるまでに受けるいろんな加工も...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...「一口に云えば――」と...
海野十三 「夜泣き鉄骨」
...当番(とうばん)の生徒(せいと)は祈祷書(きとうしょ)を見ながら、歌わないで読むことになっている祈祷(きとう)を朗誦(ろうしょう)した――その朗誦がやはり大声の無表情(むひょうじょう)で、一口にいえば、何もかもいつもの通(とお)りだった...
ソログーブ・フョードル 米川正夫訳 「身体検査」
...それは九月の十五日の事でございましたが、御落飾がおすみになつてから尼御台さまに連れられて将軍家へ御挨拶に見えられ、私はその時始めてこの若い禅師さまにお目にかかつたといふわけでございましたが、一口に申せば、たいへん愛嬌のいいお方でございました...
太宰治 「右大臣実朝」
...……一口に言やあ贅沢さ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「追放されて」
...(昭和十年六月廿七日稿)幼き日半世紀と一口に言つてしまへば...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...私の父も、母も、大和人であるから、私は、純粋の大阪人では無いが、とにかく、大阪で生れた人間として、一口に、贅六と云われる概念を打破してもいいとおもう...
直木三十五 「大阪を歩く」
...娯楽中心なぞと一口にいって了ったけれども...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...一口に百五六十貫づゝも食ひ取るんですからね...
長塚節 「隣室の客」
...小さな餅の片(きれ)を平凡にかつ一口に...
夏目漱石 「思い出す事など」
...江戸人は瓦解(がかい)と一口にいうが...
長谷川時雨 「木魚の配偶」
...で、その時代を醸(かも)した、前期の美人観をといえば、一口に、明治の初期は、美人もまた英雄的であったともいえるし、現今のように一般的の――おしなべて美女に見える――そうしたのではなかった...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...そしてこんな寒いに今からそんな花の咲く筈は無いと一口に片付けて仕舞うであろうが...
牧野富太郎 「植物記」
...一口に嘲(わら)われましょう」「はい...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...これは一口に云えぬ題です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それから今の人は一口に消化器が悪いという...
村井弦斎 「食道楽」
...一口に言えば奴隷根性のことである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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