...一口に言つてしまへばそんな歎美の念に充ちたものではなくて...
薄田泣菫 「喜光寺」
...一口に芸者でないと言ったって――笑っては可けない...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...一口に言って見れば...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...一口にけなして了う...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...すんでの事に葉巻を一口に頬張(ほゝば)つて...
徳富盧花 「燕尾服着初の記」
...一口に言ってしまえば尼さんです...
中里介山 「大菩薩峠」
...五十五一口に、ここで「玄関の松」と言ってしまっているけれども、この大通寺の玄関の松もまた、歴史ある玄関の松で、普通の寺院の庫裡(くり)の前の車廻しや風よけと見ては違う...
中里介山 「大菩薩峠」
...湯呑についでグッと一口に飲んでみると...
中里介山 「大菩薩峠」
...一口に「雪が降る」とか「雪は六花(ろっか)の形をしている」とか言ってすましていられる人にとっては...
中谷宇吉郎 「雪」
...して思想と一口にいうものの...
新渡戸稲造 「自警録」
...一口に苦味走った男だったが...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...江戸人は瓦解(がかい)と一口にいうが...
長谷川時雨 「木魚の配偶」
...よく一口に雌が良いと申しますけれども雛の内は雄の方が料理用に適します...
村井弦斎 「食道楽」
...大きな切(きれ)を箸で折り曲げて一口に頬張る...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...それも一口に地獄と云っただけじゃ局外者(しろうと)にはわからないだろう...
夢野久作 「難船小僧」
...」と天作は云ったままごくりと一口に飲んだ...
横光利一 「夜の靴」
...人生の欣(うれ)しいことの一つを杯の一口一口に舐(な)めているような顔つきだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その欠点は一口にいえば科学的精神の欠如であろう...
和辻哲郎 「鎖国」
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