...一介の移民だからな...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「追放されて」
...単に一介の僧侶たるにすぎなかった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...(二十九年十二月)山縣侯の政治的系統其一 山縣侯の潛勢力有體に云へば、山縣侯は政治家として今尚ほ顯勢力を有するの人に非ず其思想は時代の精神に後れ、其手腕は立憲機關の運用に適せず而して其名望を視れば、固より國民的基礎の上に立てる大隈板垣等の政黨首領と同じからず况むや侯は元來馬上の雄にして、政治は其長所ならざる可きに於てをや侯曰く、余は一介の武辨、敢て現時の難局に當るに足らずと是れ謙抑の言に似たれども、實は自己の眞價を語りたる自然の自白なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...我れは一介の武辨なりといへり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...一介の人夫をも将軍となす...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...何事をも為さぬ・一介のディレッタントである...
中島敦 「光と風と夢」
...時勢に適応するには余りにのろまな・人と交際するには余りに臆病な・一介の貧書生...
中島敦 「狼疾記」
...更に時代が下ると、七百十九両さえ納めれば、一介の盲人が、一夜にして検校にもなれたというのですから、野心的な盲人たちが、金を作って検校の位を獲(え)ようとしたのも無理はありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一介の岡っ引を迎えるのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一介の郷士にしてたとい名目上とはいえ(「新地」すなわち未開墾地を給された)百石の高禄に擬せられた栄誉の根源は...
服部之総 「加波山」
...一介の仲仕であることに変りはないけれども...
火野葦平 「花と龍」
...私は一介の諜報部員です」カラハミが飛び上がって...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...奴は一介の召使いだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...そんなことを考へれば考へるほど単にそんな類ひの一介の小説家であることを自覚しなければならなかつた...
牧野信一 「浪曼的時評」
...又一介の腰弁堀切氏の「意見」に共鳴せざるを得ない...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...一介の少年ジョージ・クレイの技術はそれ程に価値のあるものであろうか...
夢野久作 「暗黒公使」
...一介の少年呉井嬢次の功績の想像も及ばぬ偉大さを十分に裏書するものであったから……...
夢野久作 「暗黒公使」
...縁もねえ一介の懲役人(ちょうえきにん)に...
吉川英治 「新・水滸伝」
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