...俯仰天地之间,不及下自名一介笔...
...とうとう一介の草履とりだった藤吉郎は...
高神覚昇 「般若心経講義」
...闇の中の湖水は、鉛のように凝然と動かず、一魚一介も、死滅してここには住まわぬ感じで、笠井さんは、わざと眼をそむけて湖水を見ないように努めるのだが、視野のどこかに、その荒涼悲惨が、ちゃんとはいっていて、のど笛かき切りたいような、グヮンと一発ピストル口の中にぶち込みたいような、どこへも持って行き所の無い、たすからぬ気持であった...
太宰治 「八十八夜」
...恐らく佐助は鵙屋の暖簾(のれん)を分けてもらい一介(いっかい)の薬種商として平凡(へいぼん)に世を終ったであろう後年盲目となり検校の位を称してからも常に自分の技は遠く春琴に及ばずと為(な)し全くお師匠様の啓発(けいはつ)によってここまで来たのであるといっていた...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...一介の店員とまで零落しても...
谷崎潤一郎 「幇間」
...風貌こそまるで一介の農夫であるが...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...侯は所謂る一介の武弁を以て之に当らむとし...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...然し我輩に云わせると見ず知らずの一介の青年たる我輩の作に当時劇界を二分して新派の王者の地位にいた高田実が異常の注目を払っていたというのは必ずしも偶然とは思われない理由がある...
中里介山 「生前身後の事」
...一介(いっかい)の町研屋から身を起して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一介の殺人犯となりはてる...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...だから一介の編集長ごときに邪魔はさせない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...一介の読者たるあなたは拒絶せざるをえません」と抗議したが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...要するに一介の編輯者であり...
正宗白鳥 「編集者今昔」
...たゞ一介の貧乏な繪かきに過ぎません...
水野仙子 「響」
...それは一介の銃士の場合ばかりではなく立派な大将の場合でも同じことである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...不意に彼の使役した一介の土民と等しい一線へ墜落した...
横光利一 「静かなる羅列」
...そこには一介の放浪児と将軍家の隔てもない様子に話し込む...
吉川英治 「江戸三国志」
...――とまれこれは、人間が人間を苦しめていることだったが、一介の浮浪人、大岡亀次郎にも、阿能十蔵にも、その人間に抗議する力はない...
吉川英治 「大岡越前」
...相手の武蔵は一介の武者修行...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??
