...俯仰天地之间,不及下自名一介笔...
...予は一介の嘱託(しよくたく)教授に過ぎなかつたから...
芥川龍之介 「入社の辞」
...いまは一介の追随者ではない...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...侯は所謂る一介の武辨を以て之に當らむとし...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...而も桂子は到底内閣を組織するの威望勢力なき一介の武辨なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...然し我輩に云わせると見ず知らずの一介の青年たる我輩の作に当時劇界を二分して新派の王者の地位にいた高田実が異常の注目を払っていたというのは必ずしも偶然とは思われない理由がある...
中里介山 「生前身後の事」
...金銀の珠玉に細工をした手廻りの小道具まで一介の町方御用聞の平次に取つては...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...此の一介(いっかい)の田舎出の青年は...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...自分は一介のくだらぬ男になりさがつて...
林芙美子 「秋果」
...一介の雑報記者ずれを皇帝の換玉にして一時を糊塗しようなんて...
久生十蘭 「魔都」
...私は一介の諜報部員です」カラハミが飛び上がって...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...当時のカエサルみたいな一介のローマ市民が...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一介の少年呉井嬢次の功績の想像も及ばぬ偉大さを十分に裏書するものであったから……...
夢野久作 「暗黒公使」
...一介の漁師としては正に位...
夢野久作 「爆弾太平記」
...不意に彼の使役した一介の土民と等しい一線へ墜落した...
横光利一 「静かなる羅列」
...縁もねえ一介の懲役人(ちょうえきにん)に...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そして、お連れの人のことも、事情をいって頼めば、呑みこんで下さるにちがいありません」「でも、こっちは見ず知らずだし、君は一介の食客、どうだろうな」「いやいや、じつをいえば、主人李応とこの杜興(とこう)の間は、深く将来の心契(しんけい)で結ばれているんです...
吉川英治 「新・水滸伝」
...一介の牢人の身には...
吉川英治 「宮本武蔵」
...上方(かみがた)から一介の浪人として...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
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