...俯仰天地之间,不及下自名一介笔...
...もしまた粟野さんも我々のように一介(いっかい)の語学者にほかならなかったとすれば...
芥川龍之介 「十円札」
...予は一介の嘱託(しよくたく)教授に過ぎなかつたから...
芥川龍之介 「入社の辞」
...一介の農夫を以て自任しつゝありき...
石川啄木 「日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象」
...僕は世間知らずの一介の貧乏画家だし...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...一介(いっかい)のデリッタンティとでも...
太宰治 「渡り鳥」
...の如き者に至りては、三生の賤士、一介の窮儒、左枝右梧(さしうご)するも、未だ児啼女哭(じていじょこく)を免れず...
田中貢太郎 「令狐生冥夢録」
...一門の年長者たるの故を以て一介(いっかい)の老骨(ろうこつ)に結構な財宝をあまたゝび贈ってくれた上に...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...一介の党員である私が...
戸坂潤 「社大党はファッショ化したか?」
...當時まだ學生でまず一介の少年にすぎなかったヴェリチャーニノフのところへ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...(二十九年十二月)山県侯の政治的系統其一 山県侯の潜勢力有体に云へば、山県侯は政治家として今尚ほ顕勢力を有するの人に非ず其思想は時代の精神に後れ、其手腕は立憲機関の運用に適せず而して其名望を視れば、固より国民的基礎の上に立てる大隈板垣等の政党首領と同じからず况むや侯は元来馬上の雄にして、政治は其長所ならざる可きに於てをや侯曰く、余は一介の武弁、敢て現時の難局に当るに足らずと是れ謙抑の言に似たれども、実は自己の真価を語りたる自然の自白なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...一介のサラリーマンにとっては...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...一介の町人が国家の顧問官となったようにかしこまっている...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...市井(しせい)の人は申すに及ばず所轄警察署の刑事迄が私を一介の狂人扱いにして相手にしては呉れません...
西尾正 「陳情書」
...一介の殺人犯となりはてる...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...迷える一介の女性であられた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...私は一介の痴漢にちがひはないがそれを正統にうけとるために...
室生犀星 「帆の世界」
...中国の探題(たんだい)羽柴筑前守と一介の茶弟子於福(おふく)とは...
吉川英治 「新書太閤記」
...一介(いっかい)の平人(ひらびと)になって...
吉川英治 「親鸞」
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