...猿股の一ダースを入れた箱を一つずつ持って...
芥川龍之介 「水の三日」
...我々はみな標本を入れた籠を一つずつ持ち...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...よく見ると雪洞は床几に一つずつ置いてあるのだが...
上村松園 「京のその頃」
...動く道路をぴょんぴょんと一つずつ乗りかえて...
海野十三 「海底都市」
...吐壺(カスピドア)も一つずつ皆さんの足もとにあります...
谷譲次 「踊る地平線」
...両手に一つずつ持った箸(はし)の先で...
寺田寅彦 「柿の種」
...先ずはじめに銘々の持ちものを何か一つずつ担保(たんぽ)gage として提供させる...
寺田寅彦 「追憶の冬夜」
...ベランダの天井の電燈は消えていたが上がり口の両側の柱におのおの一つずつの軒燈がともり...
寺田寅彦 「人魂の一つの場合」
...首輪はひとりに一つずつだったが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その一つずつを森成さんと雪鳥君に握られたまま...
夏目漱石 「思い出す事など」
...自分は例のごとく冷(ひやや)かに重い音をさせる上草履(スリッパー)の音を一つずつ聞いて...
夏目漱石 「行人」
...――たぶん提灯一つに菅笠(すげがさ)一つずつ下げて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...深い淵(ふち)のようなものを一つずつ胸のうちに持っているように思えてならない...
久生十蘭 「鈴木主水」
...克明に一つずつ扉を引開(ひきひら)いては部屋を覗いて歩く...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...家に伝わった立派な調度などもいつか一つずつ失われてゆき出しているのが...
堀辰雄 「曠野」
...そこいらに散らばっていた花札を一つずつ襖(ふすま)の方へ投げつけ出した...
堀辰雄 「幼年時代」
...茎の頂に花が一つずつひらくから...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...それぞれこうして心の奥底ふかく一つずつ持たれて来たのは...
横光利一 「旅愁」
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