...大地のほんの一かけらがしぶしぶと与えられているにすぎない...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「ウェストミンスター寺院」
...コールド・ウォー (二)こうなったら、とにかく、キヌ子を最大限に利用し活用し、一日五千円を与える他は、パン一かけら、水一ぱいも饗応(きょうおう)せず、思い切り酷使しなければ、損だ...
太宰治 「グッド・バイ」
...その一かけらをお箸でつまみ上げ...
太宰治 「斜陽」
...生きている人間には何か神性の一かけらでもあるのか...
太宰治 「薄明」
...一かけらをも見のがすまいとして細い箸の先で...
辻村もと子 「春の落葉」
...音といっては一かけらの瓦にまでひび入るような暑さの気配動くものといっては眼のくらむ八月空にかすれてあがる煙あとは脳裏を灼いてすべて死滅したような虚しさのなか君は 少女らしく腰をくの字にまげ小鳥のように両手で大地にしがみつき半ば伏さって死んでいる...
峠三吉 「原爆詩集」
...一かけらも配給しなくても...
中谷宇吉郎 「琵琶湖の水」
...このたび北海道で逢った限りの顔々から「危険地帯」と見ての不安や動揺の一かけらすら私は見たことがない...
服部之総 「望郷」
...神様がパンの一かけらでも恵んで下さる間は...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...何を教つたかその一かけらさへも思ひ出せないじぶんになつて...
三好達治 「池のほとりに柿の木あり」
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