...一生にいちどの晴の日に、――峠の向ふ側から、反対側の船津か、吉田のまちへ嫁入りするのであらうが、その途中、この峠の頂上で一休みして、富士を眺めるといふことは、はたで見てゐても、くすぐつたい程、ロマンチックで、そのうちに花嫁は、そつと茶店から出て、茶店のまへの崖のふちに立ち、ゆつくり富士を眺めた...
太宰治 「富嶽百景」
...ロマンチックな一幕などを描いてみることもあった...
田山花袋 「田舎教師」
...その作の基調がロマンチックでセンチメンタルにかたよりすぎている...
田山花袋 「『田舎教師』について」
...ロマンチックであろうが...
田山花袋 「『田舎教師』について」
...わしのザンゲはこれですつかりです……わしがロマンチックな駆け落ちを手伝つたおそろしい物語のすべてです...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「ブラウン神父の醜聞」
...つまり十五円の月給をもらっている代用教員が書斎が欲しいなどというのはあまりにロマンチックな考え方で...
辻潤 「書斎」
...戯曲『エルナニ』の公演を機縁とするロマンチック運動の勝利をもたらし...
豊島与志雄 「死刑囚最後の日解説」
...鏡花氏の作品から窺はれる江戸的情調は全然ロマンチックの脚色構想から生じたもので...
永井荷風 「谷崎潤一郎氏の作品」
...精神尊長をロマンチックだとて嗤ふ心ほどロマンチックなものもない...
中原中也 「芸術論覚え書」
...図書館でロマンチック・アイロニーという句を調べてみたら...
夏目漱石 「三四郎」
...「――娘心を捉えしは誰(た)そ――という存分にロマンチックな標題を掲げて...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...ロマンチックな風致をよろこぶ女にも...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...「あまりにも不幸すぎた」太子にたいする哀傷と愛惜の念はロマンチックなまでに昂って...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...ひどく浪漫的(ロマンチック)で...
久生十蘭 「キャラコさん」
...すこしロマンチックすぎはしないこと...
久生十蘭 「だいこん」
...だいこんの生活史上におけるロマンチック事件の代表的な一つになるのかもしれない...
久生十蘭 「だいこん」
...中心にいるのはバイロンの流れをくむ学生達やロマンチックな陰謀家達で...
久生十蘭 「フランス伯N・B」
...あの少女っぽいロマンチックな自己陶酔癖には閉口した...
山川方夫 「演技の果て」
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