...黒天鵞絨(くろビロウド)の襟のかかっている八丈の小掻巻(こがいまき)をひっかけた後姿が見えるばかりである...
芥川龍之介 「老年」
...葡萄色(えびいろ)天鵞絨(ビロウド)の表紙の...
石川啄木 「鳥影」
...何時来ても天鵞絨(ビロウド)みてえだな...
石川啄木 「天鵞絨」
...之れは黒いビロウドの帯が四つ入つた翼をつけた...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...あの黒ビロウドの幕をはりめぐらした部屋でした...
江戸川乱歩 「青銅の魔人」
...奥のビロウドの幕のすその所に...
江戸川乱歩 「青銅の魔人」
...ビロウドの幕がユラユラとゆれて...
江戸川乱歩 「青銅の魔人」
...馬が人よりも神さまよりも巾をきかすべく貴族(ロウド)たちの名において約束された日である...
谷譲次 「踊る地平線」
...彼の首にはちやんとビロウドの縁のついた涎掛がつけてあつた...
原民喜 「雲雀病院」
...水仙黄(ナルシス・ジョオヌ)の散歩服に黒天鵞絨(ビロウド)の帯をしたる美貌の閨秀(けいしゅう)詩人オウジエ嬢...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...カマアシャル街(ロウド)あたりの店員か下級事務員どころと踏んだ...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...手早く非常線を敷いたなら――斯う思ってスタンレイ街道(ロウド)へ駈け戻って電話のある家を探すと...
牧逸馬 「双面獣」
...アンクル・タムス・キャビンという看板を掲げた郊外料理店(ロウド・ハウス)がある...
牧逸馬 「土から手が」
...かのニューヨークのブロウドウエイもものかはのきらびやかさだ...
牧野信一 「新興芸術派に就いての雑談」
...小野蘭山(おのらんざん)の『大和本草批正(やまとほんぞうひせい)』(未刊本)には万年松(玉柏ノ一名ナリ) 玉柏ハ日光ノ万年グサ一名ビロウドスギト云石松ノ草立ナリ此ニ説ク形状ハ高野ノ万年グサ物理小識ノ千年松ナリ諸山幽谷ニ生ズ高野ヘ至モノ必ラズ釆(トリ)帰ル山下ニテモ此草ヲウル其状苔ノ如シ高一寸許葉スギゴケノ如シ数年過タルモ水中ニヒタセバ新ナル如シと述べてある...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...ビロウドスギ)の条下に又別ニ一種高野ノマンネングサト呼者アリ苔ノ類ナリ根ハ蔓ニシテ長ク地上ニ延ク処処ニ茎立テ地衣(ヂゴケ)ノ如キ細葉簇生ス深緑色ナリ採リ貯ヘ久シクシテ乾キタル者水ニ浸セバ便チ緑ニ反リ生ノ如シ是物理小識ノ千年松ナリと述べている...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...その左がわにいる人たちはナロウドニキ風にゾロゾロと左翼に流れこんで行くであろうし...
三好十郎 「恐怖の季節」
...部屋を世話する英国婦人の給仕が自分の帽を天鵞絨(ビロウド)を張つた直(す)ぐ上の壁へ針で留めて掛けて呉(く)れた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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