...久しぶりで去年逢つた時からメリケン粉の袋のやうに肥つてゐる男である...
石川啄木 「第十八號室より」
...吹けば飛ぶ位のメリケン粉か灰のようにするという事件は未(ま)だ耳にしたことがなかった...
海野十三 「人間灰」
...彼女はお三時の支度にメリケン粉を捏(こ)ねている下働きのお秋に聞いた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...えッちらおッちら食器棚へよじのぼってメリケン粉の鑵をとりおろし...
久生十蘭 「キャラコさん」
...アメリカから買い込んだメリケン粉袋が埠頭に積んであるというデマさえ飛んだ...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...訳のない事ですから今度一つ遣(やっ)て御覧なさいまし」○バタービスケットはメリケン粉一斤...
村井弦斎 「食道楽」
...それを御飯に混ぜて白ソース即ちバターとメリケン粉と牛乳と塩胡椒のソースで煮込むのです...
村井弦斎 「食道楽」
...別の鍋へバターを大匙一杯入れてコルンスタッチなら上等ですしそれがなければメリケン粉を代用させても出来ますが味が良くありません...
村井弦斎 「食道楽」
...それへ今の細かくした肉と玉葱とを入れて三十分間煮て一旦冷まして手で丸めてメリケン粉をつけて玉子の黄身も白身も一緒に溶いたものをつけてまたパン粉をつけてフライ鍋でコロッケに揚げます...
村井弦斎 「食道楽」
...つまりバターケーキには玉子一つにメリケン粉が大匙二杯...
村井弦斎 「食道楽」
...先ずバター大匙一杯でメリケン粉大匙一杯を焦(こ)げて黒くなるほどにいためて牛か鳥のスープを一合注して塩胡椒で味をつけたものです...
村井弦斎 「食道楽」
...第二十二 玉子のライスカレーは玉葱二つとニンニク四片(きれ)を細かに刻んで大匙一杯のバターでよくいためてその上へメリケン粉大匙一杯半とカレー粉中匙一杯とを加えて狐色になるまでいためてスープ二合を少しずつ混ぜて行きます...
村井弦斎 「食道楽」
...その次にまた前に残してある玉子の白身をよくよく泡立てて少しずつ幾度にもメリケン粉をバラバラと振かけながらその中へ混ぜます...
村井弦斎 「食道楽」
...そこでいよいよパンを拵える時はこのパン種を大きな木鉢へ一合注(つ)いで水四合を加えてメリケン粉一斤半を入れて湯煮(ゆで)た薩摩芋の大きいのを一本裏漉(うらご)しにして混ぜます...
村井弦斎 「食道楽」
...第六 ミルクトースは普通のトースパンへ牛乳のソースをかけたのですが先ずフライ鍋へバター小匙一杯を溶かしてメリケン粉小匙一杯を掻き廻しながらいためて牛乳一合を注して塩で味をつけたのが白ソースです...
村井弦斎 「食道楽」
...別に玉子の黄身一つへ中匙半分の砂糖を混ぜて牛乳大匙一杯を加えて弛(ゆる)めた後大匙一杯のメリケン粉を軽く混ぜ合せてその上へ玉子の白身一つをよく泡立てて加えたのが衣になります...
村井弦斎 「食道楽」
...胡麻油などをつかう並みの天麩羅とちがって黄檗のは古い種油と鼠の糞のようなボトボトの堅いメリケン粉を用いる...
矢田津世子 「茶粥の記」
...砂糖やメリケン粉を積んだ幌馬車(ほろばしゃ)の馬が...
吉川英治 「旗岡巡査」
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