...中央公会堂の赤煉瓦緑青(ろくしよう)色の高裁のドーム中洲の葉柳をかすめてとび去る水中翼船の渦巻からムツとするような水苔の匂い...
安西冬衛 「水の上」
...拝んで貰うよ」源治はムツクリと寝床から起き上つた...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...「君はムツ五郎といふ男を知つてるかね...
薄田泣菫 「茶話」
...真実とか真理とかいう常語が(哲学者のムツかしい術語は別にするとして)之を要求しているのである...
戸坂潤 「科学論」
...治安を妨害するということの解釈が又ムツかしい...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...仲々ムツかしい問題になるだろう...
戸坂潤 「社会時評」
...そうした人身問題に就いて論じることは何よりムツかしいことである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...之を科学的に批判するほどムツかしいことはあるまい...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...此方を向いて口をムツチリさせてゐた...
中原中也 「耕二のこと」
...公儀の御調が始まつて居る最中です」福之助は少しムツとした調子で答へました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ムツチリとした味で...
濱田耕作 「異國さかな雜談」
...」彼は、ムツとしたが、まつたく今云つた通り、何の変化もない怒りの道程を方程式に依つて繰り反すことの煩しさを思ふと、堪へることの方が遥に楽な気がした...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...」――斯うなると「延子が恋しい」情ばかりがムツと胸につかえる...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...そこでは少しも気附かない、その癖恬淡とはおそらく反対に、一週間も経つてから漸く知らずに聞いてゐたことに疑念を持つて、と、突然ムツとして、時にはそこで何故自分は今ムツとしたかを当の相手に説明して返つて屡々冷笑されることが多かつた...
牧野信一 「毒気」
...それと同時にみち子はムツクリと立ち上つた...
牧野信一 「晩秋」
...ソノママ ユフガタマデ ネムツテ シマヒマシタ...
村山籌子 「カメサン ノ サウダン」
...赤子のオムツや女の腰巻めいた物が干してあり...
吉川英治 「私本太平記」
...ムツェンスク郡のマクベス夫人と呼びならわされている女である...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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