...クリスマスに飾る常緑樹の大きな束を外套(がいとう)のボタンの穴にさしていた...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「駅馬車」
...右手を押釦(おしボタン)の前に...
海野十三 「振動魔」
...ボタンの花が開くように笑った...
江戸川乱歩 「影男」
...しきりとボタンのない破れ外套の前を合せ...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...いままでの毛布をよして羅紗のマントを洒落者らしくボタンをかけずに前をあけたまま羽織つて...
太宰治 「思ひ出」
...私達は短衣(ヴェスト)の扣鈕(ボタン)を突つき合って...
谷譲次 「踊る地平線」
...刑事が通行人を検(しら)べるように板倉の体を撫(な)で廻して外套のボタンを外すと...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ボタン孔にはちょうど従僕の番号みたいに...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...一輪の薔薇(ばら)をボタンの穴にさして...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...枉がつた足をふんばつて彼等の服の釦((ボタン))こそ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...ボタンやヤマモ丶や...
林芙美子 「浮雲」
...四人の砲術長の手が、ボタンを押すと、たちまち「キラッキラッ」と白い火がきらめいて、黄いろい煙がむくむくとわき立ち、「ドドドド……ごォーッ」と雷のような砲声がとどろきわたった...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...牡丹はキツネノボタン科に属するが...
牧野富太郎 「植物知識」
...この凹んだ影の上に白く輝いていた友達とゆうものは女の同志にもらった可愛いゝM・ボタンのかたみのように何となつかしいものだろう僕は小さいテリヤのように病み(こゝでは弱った心臓の上を弾き台のように行進する澄んだ血の混濁さがありそして毒の沼の中で...
槇村浩 「青春」
...半身だけボタンとめて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...とある星座の鍵がひとところ青い蕾(ボタン)を喪つてほのかに白く霞んでゐた...
三好達治 「測量船」
...釦(ボタン)が千切れる程強く引っ掴んでいたようです...
夢野久作 「死後の恋」
...ボタンが二つ程ちぎれて...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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