...ヒラヒラと窓の外へ落ちていくのだよ...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...ひとりが水中電灯の光の前で右手をヒラヒラと動かしました...
江戸川乱歩 「海底の魔術師」
...ヒラヒラと夕空に舞い上ってゆく...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...静かな海風に吹かれて息づくようにヒラヒラと動いていたということです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...ヒラヒラと飛んで来る花片(はなびら)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...舞台に夢中になっている女たちは気がつかなかったが、ちいさな、あんぽんたんは、透間風(すきまかぜ)が、おかっぱのまんなかにあけた、ちいさな中剃(なかず)りや、じじっ毛のある頸筋(くびすじ)に冷たくあたったので振りかえると、つくなんでいた男が、手のついた青い籠(かご)の上へ、手拭(てぬぐい)袋包をのせ、手拭と菓子籠の間へ、ヒラヒラと、巾(はば)一、二厘の、丈(たけ)五卜(ぶ)ばかりの赤や青のピラピラのさがった楽屋簪(がくやかんざし)を十本ばかりはさんだのを、桟敷の中へ押入れるようにしていた...
長谷川時雨 「鬼眼鏡と鉄屑ぶとり」
...商店の赤い旗がヒラヒラしていて心にしみた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...その藻や塵芥の下を潜(くぐ)って影(かげ)のような魚がヒラヒラ動いている...
林芙美子 「風琴と魚の町」
...ひょろひょろの銀杏(いちょう)の梢(こずえ)に黄金色の葉がヒラヒラしているのだ...
原民喜 「秋日記」
...紋白蝶がヒラヒラ飛んで来た...
原民喜 「焔」
...ひょろ松の鼻の先でヒラヒラさせながら...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...キャラコさんの手紙がヒラヒラと風にひるがえっていた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...みんなで筏(いかだ)ンとこまで持って行こうよ」白い蹠(あしうら)をヒラヒラさせながら...
久生十蘭 「キャラコさん」
...エッフェル塔のてっぺんで三色旗がヒラヒラと翻っている...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...その端がヒラヒラと風に戦いている...
久生十蘭 「魔都」
...窓からヒラヒラと舞いこむおとずれになるように...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...右往左往にヒラヒラと泳ぎまわり...
夢野久作 「白髪小僧」
...しなやかな素足の爪先がヒラヒラと...
夢野久作 「継子」
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