...彼の胸の赤い鶏に向つて前方から突進して来たやうに見えた真白な決勝点のテープ――これが今もなほ浴場の壁にはげしく上下に揺れて見えた...
犬養健 「亜剌比亜人エルアフイ」
...さし出した布テープを見れば...
海野十三 「海底大陸」
...黒い煙や黄色い煙が色テープのように...
海野十三 「地中魔」
...富海――あれこれとおもひでは切れないテープのやうだよ...
種田山頭火 「行乞記」
...それで通信文をたたいて行くと受信機の方ではタイプライターが働いて紙テープの上にその文句をそっくりそのままに印刷して行く仕掛けである...
寺田寅彦 「変った話」
...テープの散らかつた桟橋には...
林芙美子 「浮雲」
...(三月×日)五色のテープがヒラヒラ舞っていた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...この場の雰囲気をつくるためなんで……」レコーダーのテープの巻枠(リール)が...
久生十蘭 「あなたも私も」
...ところで六月の予行演習の講演を或る人がテープに取っておいてくれました...
深瀬基寛 「悦しき知識」
...そのテープで第一回目のフレッシュなところを聞いていただきたいと思います...
深瀬基寛 「悦しき知識」
...患者エドワード・ステープルトン氏はチフス熱のために外見上死んだのであるが...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「早すぎる埋葬」
...ステープルトン氏自身が言っていることのなかにあるのである...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「早すぎる埋葬」
...さう二っつがおれを仕事着のまゝ支那の将軍のやうにその病院の二つの棟にはさまれた緑いろした中庭にテープを持って立たせたのだ...
宮沢賢治 「花壇工作」
...日本のあらゆる女性が手にもって暮して来た物指やテープをハトロン紙の上に走らせるばかりでなく社会の上に...
宮本百合子 「衣服と婦人の生活」
...熱に強い特殊セロテープでふさぐ...
森於菟 「オフ・ア・ラ・コック・ファンタスティーク」
...テープを切るランナーのように感謝の情を動かさぬ唇に込めて...
横光利一 「上海」
...そして、ジャズの音が激しく、光芒のなかで、歔欷(すすりな)くように、或は、猥雑(わいざつ)な顫律(せんりつ)を漾(ただよ)わせて、色欲のテープを、女郎(じょろう)ぐものように吐き出した...
吉行エイスケ 「東京ロマンティック恋愛記」
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