...裾からは白い小倉の洋袴(ズボン)の太いのが七八寸も出て居る...
石川啄木 「雲は天才である」
...上も下も胸も、泥まみれになっていたうえ、肘(ひじ)のところは破れ、ズボンにも、かぎ裂(ざ)きのような箇所があり、見れば見る程、見られたざまではなかった...
海野十三 「英本土上陸戦の前夜」
...そ、そして、おれのズボンの、左のポケットに、は、はいっている鍵で……その鍵で、扉をあけるんだ」パイ軍曹とピート一等兵は、また顔をみあわせて、うなずいた...
海野十三 「地底戦車の怪人」
...つひに今日よりゴルフパンツを引張り出して半ズボンの姿になる...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...金色の顔、頭には金色のターバン、金色のマント、金色のズボン、金色のくつ...
江戸川乱歩 「仮面の恐怖王」
...汚いシャツに色のさめた紺(こん)の木綿(もめん)のズボン...
太宰治 「たずねびと」
...凝乎(じっ)と眺めながら洋袴(ズボン)のポケットへ納めたのであったが...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...ズボン下(した)など莫大小物(めりやすもの)の卸売(おろしうり)をして居るので...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...麻のズボンに粗織の上衣をつけたまま...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...ズボンの中に押し込めよ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...鼠色(ねずみいろ)の麻のズボンをはき...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...学校時代のサージの制服を仕立てなほした洋袴(ズボン)に...
林芙美子 「浮雲」
...蝋燭からズボンに垂(た)れたいくらかの蝋をかき取ってやるため商人のそばにひざまずくさまを...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...言ってないわ」愛一郎はズボンのうしろへ手をやった...
久生十蘭 「あなたも私も」
...黄色い革(かわ)ズボンをはき...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...派手な縞のズボンを穿(は)いているが...
夢野久作 「一足お先に」
...矢張(やは)り白地に大胆な赤線を配したズボンを穿(は)いた断髪の女とが...
蘭郁二郎 「鱗粉」
...家庭を破壊してズボンの細きを追う人がある...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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