...鳥羽僧正(とばそうじょう)の鳥獣戯画なども当時のスポーツやいろいろの享楽生活のカリカチュアと思って見ればこの僧正はやはり一種のカメラをさげて歩いた一人であったかもしれない...
寺田寅彦 「カメラをさげて」
...これを極端までもって行くとカリカチュアが一番正確な肖像画になる勘定である...
寺田寅彦 「観点と距離」
...上手(じょうず)なカリカチュアは実物よりも以上に実物の全体を現わしているから...
寺田寅彦 「自画像」
...フロイト主義的イデオロギー論乃至フロイト主義的社会理論のカリカチュアであろう...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...これが今のカリカチュアの本質なのである...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...部分的誇張から来る時間の二種類のカリカチュアに外ならない...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...更に比較にならない程のカリカチュアなのである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...わが国現代ブルジョア哲学そのものの優秀なカリカチュアに外ならないからである...
戸坂潤 「読書法」
...カリカチュアふうに描写してみようという考えを起こした...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...里見と野々宮さんの妹のカリカチュアーをかいてやろうと思ったら...
夏目漱石 「三四郎」
...真の科学のカリカチュアである...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...少し仰向いて四方(あたり)を睥睨(へいげい)する男――このカリカチュアで...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...ホームズのこのマンネリズムをカリカチュアライズ〔風刺〕したものがあった...
平林初之輔 「ホオムズの探偵法」
...それはどうも戯画(カリカチュア)と名づけるわけにはいかなかったのだから)がどんなにひどく自分を悩ませたかは...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...少からずカリカチュアの趣味...
堀辰雄 「續プルウスト雜記」
...當然カリカチュアとして現さるべきであつたと思ふ...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...こんなくだらないことでこれほど民自党を周章狼狽させた泉山蔵相は現代のカリカチュアです...
宮本百合子 「泉山問題について」
...しかも彼の心理観察の周密は常に描写のカリカチュアに堕するのを救う...
和辻哲郎 「生きること作ること」
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