...」「チリン、カラン...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「雪の女王」
...カラン、コロンが直(じ)き其処にきこえたと思いましたのが、実はその何とも寂然(しん)とした月夜なので、遠くから響いたので、御本体は遥(はるか)に遠い、お渡りに手間が取れます、寒さは寒し、さあ、そうなりますと、がっがっごうごうという滝の音ともろともに、ぶるぶるがたがたと、ふるえがとまらなかったのでございますが、話のようで、飛んでもない、何、あなた、ここに月明(つきあかり)に一人、橋に噛りついた男が居るのに、そのカラコロの調子一つ乱さないで、やがて澄(すま)して通過(とおりす)ぎますのを、さあ、鬼か、魔か、と事も大層に聞こえましょうけれども、まったく、そんな気がいたしましてな、千鈞(せんきん)の重さで、すくんだ頸首(くび)へ獅噛(しが)みついて離れようとしません、世間様へお附合ばかり少々櫛目を入れましたこの素頭(すあたま)を捻向(ねじむ)けて見ました処が、何と拍子ぬけにも何にも、銀杏返(いちょうがえし)の中背の若い婦で……娘でございますよ、妙齢の――姉さん、姉さん――私は此方が肝を冷しましただけ、余りに対手(あいて)の澄して行くのに、口惜くなって、――今時分一人で何処へ行きなさる、――いいえ、あの、網代へ皈(かえ)るんでございますと言います、農家の娘で、野良仕事の手伝を済ました晩過ぎてから、裁縫のお稽古に熱海まで通うんだとまた申します、痩せた按摩だが、大の男だ、それがさ、活きた心地はなかった、というのに、お前さん、いい度胸だ、よく可怖(こわ)くないね、といいますとな、おっかさんに聞きました、簪(かんざし)を逆手に取れば、婦は何にも可恐(こわ)くはないと、いたずらをする奴の目の球を狙うんだって、キラリと、それ、ああ、危い、この上目を狙われて堪(たま)るもんでございますか、もう片手に抜いて持っていたでございますよ、串戯(じょうだん)じゃありません、裁縫がえりの網代の娘と分っても、そのうつくしい顔といい容子(ようす)といい、月夜の真夜中、折からと申し……といって揉み分けながらその聞手(ききて)の糸七の背筋へ頭を下げた...
泉鏡花 「遺稿」
...カランと金属の触れ合う響...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...カランコロンと喧ましく足音を立ててやって来る...
大杉栄 「続獄中記」
...そのときカランポーに住む友人から...
アーネスト・トムソン・シートン 薄田斬雲訳 「動物物語 狼の王ロボ」
...このカランポーの谷は...
アーネスト・トムソン・シートン 薄田斬雲訳 「動物物語 狼の王ロボ」
...このカランポーの狼群(ろうぐん)の行動には...
アーネスト・トムソン・シートン 薄田斬雲訳 「動物物語 狼の王ロボ」
...私(わたし)はこのカランポーのおおかみどもも同じ習慣をもっているとにらんだのである...
アーネスト・トムソン・シートン 薄田斬雲訳 「動物物語 狼の王ロボ」
...尚(なお)御遺骸移送其(そ)ノ他ニ際シテハ万(ばん)遺漏ナカランガ為(た)メ在米英国大使館ハ在桑港総領事ニ電命ノ旨唯今通知ニ接ス...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...たとえば、Mac-Farlane, Mac-Callummore.(大ファーレーン、大カランモアー...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...カラカランと云う音が遠くへ落ちて行く...
夏目漱石 「坑夫」
...この教団に属する修道者がカランダールである...
オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 「ルバイヤート」
...丸い玉がカランと落ちる...
火野葦平 「花と龍」
...カラン暫(しばら)く思案して...
穂積陳重 「法窓夜話」
...遂にカランの弁舌に説き落され...
穂積陳重 「法窓夜話」
...またカランダア教区に関する報告では2)...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...前后(ぜんご)にゆれ出し音はカランカランカランカランとうつくしく雪を渡(わた)って来ました...
宮沢賢治 「耕耘部の時計」
...カランといって横にころがる...
三好十郎 「その人を知らず」
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