...外ヶ浜の沙漠の中にも緑水(オアシス)のあたり...
泉鏡花 「一景話題」
...アラビア人は出来るだけよく此のオアシスを利用しなければならない...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...それが「修正以前の唯一のオアシスだったのだ...
戸坂潤 「読書法」
...それは砂漠のなかのオアシスの如きもの...
豊島与志雄 「風景」
...山があり上があり下があり、その中間に立つ地点を峠と呼ぶことに於て、さまざまの象徴が見出される、上通下達の聖賢の要路であり、上求菩提下化衆生の菩薩(ぼさつ)の地位であり、また天上と地獄との間の人間の立場でもある、人生は旅である、旅は無限である、行けども行けども涯(かぎ)りというものは無いのである、されば旅を旅するだけの人生は倦怠と疲労と困憊と結句行倒れの外何物もあるまいではないか、「峠」というものがあって、そこに回顧があり、低徊があり、希望があり、オアシスがあり、中心があり、要軸がある、人生の旅ははじめてその荒涼索莫から救われる...
中里介山 「「峠」という字」
...バッハやモーツァルトの音楽はあらゆる国境を越えて人々の心のオアシスとなった...
信時潔 「望ましい音楽」
...これを人文史上のオアシスと言うもよく...
野村胡堂 「楽聖物語」
...夢想! 美の小さなオアシスの探求の道によってか...
林芙美子 「新版 放浪記」
...丈の低い灌木が繁りあうオアシスだったが...
久生十蘭 「海難記」
...さっきのオアシスへ戻った...
久生十蘭 「海難記」
...ポーはアメリカ文学におけるオアシスであった...
平林初之輔 「ポウの本質」
...彼らの国のまんなかで静かに穏やかに繁栄している小さなプロテスタントのオアシスに...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...「オアシス」の酒つぎ台に肘をのせてゐた...
牧野信一 「日記より」
...私は砂漠旅行者がオアシスを恋(した)ふに似た喉の乾きを覚へ(それは...
牧野信一 「ラガド大学参観記」
...上人に逢うたことは真にオアシスを見出した悦びにも譬(たと)え得るでしょう...
柳宗悦 「民藝四十年」
...緑地(オアシス)も蜃気楼(しんきろう)も求められない沙漠のような……カサカサに乾干(ひから)びたこの巨大な空間に...
夢野久作 「少女地獄」
...はるか向うにオアシスが見える...
横光利一 「欧洲紀行」
...リー・シー・ツワンは政府部内にあっていかに彼の歴史的任務を果そうとするのであろうか? マダム・レムブルグのオアシスはいまでは相場師で埋もれてはいないであろうか? 生死不明を伝えられた陳独秀はモスコーにいたがそれからどうなったか? 結婚したが図星の外れたシイ・ファン・ユウは最近東京に来て米良に会った...
吉行エイスケ 「地図に出てくる男女」
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