...趣味の享樂に大騷ぎをして居る一群の人々がある――私自身もそんな連中の一人だと折々誤認されるのであるが――その種類の人達は趣味といふ物を人間の生活から引き離して(つまり人間生活の中から趣味的なエッセンスだけを蒸溜でもして)趣味そのものだけを樂しまうとするのであるが...
會津八一 「趣味の向上」
...数滴――茶さじ半分――のエッセンスをステッキの綿にたらしこんだ...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
...こんどはナイフの柄にエッセンスを一滴おとした...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
...つまりあらゆる経典(おきょう)のエッセンスで...
高神覚昇 「般若心経講義」
...世界中のあらゆる文豪のエッセンスを持っているのだそうで...
太宰治 「猿面冠者」
...新著『循環論証の新世界観と錯覚自我説』とは氏の哲学のエッセンスで...
辻潤 「錯覚自我説」
...門外の俳人たちはこれらのどれにもすがりつかないでしかもあらゆるものを取り込み消化してそのエッセンスを固有日本人の財産にしてしまったように見える...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...そうして蒸留された国民思想のエッセンスを森羅万象(しんらばんしょう)に映写した映像の中に「物の本情」を認めたのである...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...煎(せん)じ詰めたエッセンスである...
寺田寅彦 「俳句の精神」
...しかもその一つ一つの象形文字のような夢内容は驚くべく多様な夢思想の圧縮されたエッセンスであり...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...事物のエッセンス乃至本質を習慣的に精神と命名することによって...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...私小説的なエッセンスとでも言えるものを...
豊島与志雄 「小説集「山吹の花」後記」
...技巧的にもシューマンのピアノ曲のエッセンスを集めてこの上もなく面白い...
野村胡堂 「楽聖物語」
...この目に見えぬ悪性疾患の真のエッセンスと顔を突き合わせていると感じた...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...ドイツ文学のエッセンスを知ることになると同時に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...エッセンスに漬けた標本みたいないい生活なんてあるものではないのだし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それからそのような御研究のエッセンスともいうべき心理遺伝学と...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...総がかりで完成すべく努めている綜合芸術のエッセンスであろう...
夢野久作 「能とは何か」
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