...固い墨の一片に水をつけて何等かの容器――普通石の硯――内にインクを自分でつくる丈である...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...ウインクレル氏から高湯へ行こうといってきた...
板倉勝宣 「山と雪の日記」
...あなたから長いお手紙をいただき、ただ、こいつあいかんという気持で鞄(かばん)に、ペン、インク、原稿用紙、辞典、聖書などを詰め込んで、懐中には五十円、それでも二度ほど紙幣の枚数を調べてみて、ひとり首肯(うなず)き、あたふたと上野駅に駈け込んで、どもりながら、し、しぶかわと叫んで、切符を買い、汽車に乗り込んでから、なぜだか、にやりと笑いました...
太宰治 「風の便り」
...「覚えていらっしゃる? こないだ溝渠(インクライン)を見にいらした時に...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...道は一町ばかりこの溝渠(インクライン)と並行して走ります...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...粗末な本箱や机や灰皿やインク壺や柱掛の暦(こよみ)など...
豊島与志雄 「白い朝」
...其のウインクが私に向って発せられたものであることを確かめると...
中島敦 「虎狩」
...それはとても白い紙の上にインクで書きとめることは不可能だろう...
原民喜 「夢と人生」
...その水の色はインクのように黒いので...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...己のやくざな夢の殘骸にウオタアマン・インクをぶつかけてやつたら...
堀辰雄 「鳥料理」
...すっかりインクがにじんでしまっていて何を書いたのか少しも分らなくなってしまっていた...
堀辰雄 「ルウベンスの偽画」
...電報書式は正規、インクも正規、封筒も正規です...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...エルマンの手は木蓮が風にゆれ久良伎シウマンハインク 二句世界的呂昇三十有余貫同伴奏は小結といふ姿なり同ロシヤバレー汝元来角兵衛獅子同そのころミッシャエルマンが...
正岡容 「大正東京錦絵」
...ニューヨークの社交界では競争でシューマン・ハインクにパーティでうたってもらうといった有様でした...
三浦環 「お蝶夫人」
...まずエミイのインクル氏が立ちあがって...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...インクスタンドは黒い円い台の上にガラスの六角のがのっていて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ところどころにポタリとインクのしみをこしらえながら...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...卓(たく)の上のインク壺(つぼ)の背後には...
ハンス・ランド Hans Land 森鴎外訳 「冬の王」
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