...訓練のない見物人は潮(うしお)のように仁右衛門と馬とのまわりに押寄せた...
有島武郎 「カインの末裔」
...どうかするとダンスでも踊りそうな靴のかわりに...
石川欣一 「山を思う」
...老人のまわりに集まっていた婦人連とでも連絡がつけば...
海野十三 「怪星ガン」
...姉は私の親替わりに私が何所(どこ)までも見るつもり...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...私は年齢のわりに健啖の方であるから...
谷崎潤一郎 「客ぎらい」
...あくどい蒼蠅(うるさ)さがわりに少なくて軽快な俳諧といったようなものが塩梅されているようである...
寺田寅彦 「映画雑感(5[#「5」はローマ数字、1-13-25])」
...他にはなんの能もない代わりに蛾をつかまえることだけに妙を得ている...
寺田寅彦 「からすうりの花と蛾」
...差し伸べられた救いの機会をつかむ代わりに...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...どんな悪いことをしたというの?」返事の代わりに...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...そのわりに雨というものが少ないものでございますから...
中里介山 「大菩薩峠」
...それは、わずかな金ではありましたが、どろぼうがすっかり、うばっていってしまった今、そのわずかな宿賃(やどちん)も、はらうことができませんので、マタンは一策(さく)を案じ出して、宿屋(やどや)の主人からノミとツチを借り、木ぐつをつくって、金のかわりに、それではらうことにしました...
新美南吉 「名なし指物語」
...僕のまわりにある無数の雑音...
原民喜 「鎮魂歌」
...そのかわりにやがて新しい外套ができるという常住不断の想いをその心に懐いて...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...わりによいお茶をのんだ...
別所梅之助 「雪の武石峠」
...囲炉裏のまわりに...
牧野信一 「鬼涙村」
...終わりにはとうとう悪いお客がついたため貸倒れになって遂に店を閉じてしまいましたが...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...ちょうどお化粧をしていたときにというかわりに...
柳田国男 「母の手毬歌」
...炉(ろ)のまわりに早や寝ころんでいた...
吉川英治 「人間山水図巻」
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