...また二十五年にわたる長い苦しい戦いに始めて勝って兜(かぶと)を脱いだ人のように...
有島武郎 「或る女」
...寒山寺の鐘啻(しょうてい)ひびきわたるところ「落月鳴烏霜満天……」の詩が生まれたのも宣(むべ)なるかなと思ったが...
上村松園 「余齢初旅」
...千年にわたる無智に変化させた...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...ポープの訳したホメロスはやがて適当に行きわたるようになるだろう――“Nec bella fuerunt,Faginus astabat dum scyphus ante dapes.”「ブナの椀のみが求められし時には戦いが人をなやますことなかりき...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...カトーやフォキオン(訳者注 ローマおよびアテネの大人物)のように数世紀にわたる魅力を持っていて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...木の橋をわたる下駄の音...
永井荷風 「西瓜」
...啼(な)きわたる千鳥の音でも聞きながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...しまいには天を仰(あお)いで昏倒(こんとう)多時にわたる事があるので...
夏目漱石 「博士問題とマードック先生と余」
...川をわたる夜の風が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一時間ごとにふいに陰鬱(いんうつ)な音をたてて響きわたる教会の鐘(ベル)の深い鈍い音色に...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...かつてかの幸いの谷をわたる者らが煌々たる窓二つから目にしたは節に合わせて踊る精霊たち...
エドガー・A・ポオ Edger A. Poe 「ポオ異界詩集」
...みんなの手から手へわたるのをながめていました...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...数しらず鳴りわたる天鼓(てんこ)のかなたに空一ぱいの不思議(ふしぎ)な大きな蒼い孔雀が宝石製(ほうせきせい)の尾(お)ばねをひろげかすかにクウクウ鳴きました...
宮沢賢治 「インドラの網」
...二度にわたる早馬が...
吉川英治 「私本太平記」
...平井山の牙営(がえい)から戦線四里にわたる寄手の支営を...
吉川英治 「新書太閤記」
...征旅(せいりょ)五年にわたる中国陣では...
吉川英治 「新書太閤記」
...奥殿のうちまで鳴りわたるような声していつまでもどなっていた...
吉川英治 「親鸞」
...実に細川家四代にわたる友情の帰依の歴史だったのである...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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