...「天雲(あまぐも)の上をかけるも谷水をわたるも鶴(つる)のつとめなりけり」――こう自(みずか)ら歌ったほど...
芥川龍之介 「或敵打の話」
...秋風(あきかぜ)わたる青木立(あをこだち)葉なみふるひて地にしきぬ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...――月白(つきしろ)ほのかに匂ひわたるこの夕暮の刹那や...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...一晩かかって南の空を秋田境の連山までゆるゆるとわたる...
高村光太郎 「山の秋」
...夜叉の鼾は林の中へ響きわたるように聞えていた...
田中貢太郎 「太虚司法伝」
...腰かける石がある・すずしうて蟹の子・ふるさとちかく住みついて雲の峰水をわたる高圧線の長い影・日ざかりのお地蔵さまの顔がにこにこ野菜に水をやる...
種田山頭火 「其中日記」
...・朝月まうへに草鞋はかろく・よち/\あるけるとしよりに青田風・朝月に放たれた野羊の鳴きかはし・田草とる汗やらん/\として照る・木かげ涼しくて石仏おはす(改作)・炎天の虫をとらへては命をつなぐ・一人わたり二人わたり私もわたる涼しい水・重荷おろすやよしきりのなく小豆飯と菓子とのおせつたいをいたゞいた...
種田山頭火 「其中日記」
...広区域にわたるマクロスコピックの平均状態を知るのみにては信憑(しんぴょう)すべき実用的の予報は不可能に近し...
寺田寅彦 「自然現象の予報」
... 320歡喜に滿ちておのおのの心樂しく晴れわたる...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
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富澤赤黄男 「天の狼」
...三十五年間にわたる長い長い苦闘の後...
野村胡堂 「楽聖物語」
...一頁にわたる大論文を署名してかかげたことなどはその代表的なものである...
平林初之輔 「黒岩涙香のこと」
...適応せられたものは多面にわたる...
柳宗悦 「工藝の道」
...とりどりに五つの峰の晴わたる雲を帯ぶるも...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...その兵七十万と聞えわたる...
吉川英治 「三国志」
...足かけ八年にわたる大工事の落成を告げていた...
吉川英治 「三国志」
...さらに御滞陣が十日にわたると...
吉川英治 「新書太閤記」
...船首から艫(とも)へわたる数十組の足場足場の工員は...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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