...「己(おれ)が渡(わたる)を殺さないとすれば...
芥川龍之介 「袈裟と盛遠」
...毎日全員に一箱ずつ行きわたる訳には行かず...
石川欣一 「比島投降記」
...上にもお話ししましたように杉田玄白等の四年にわたる苦心の結果で出来あがったものであり...
石原純 「杉田玄白」
...人生のあらゆる方面にわたる権利の平等を要求することは正しく公平なことである...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「婦人解放の悲劇」
...あのカナアンの國よりもなほ遠い神の誓の郷(さと)のやうに照りわたる...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...暗黙の間に満廷に行きわたる同情というものは...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「自責」
...清凉な空氣が肺臟に浸(し)みわたるやうな氣がしました...
永井荷風 「畦道」
...この人類全体の過去の努力と永遠にわたる望みを...
羽仁もと子 「おさなご」
...次に数ページにわたる裁判所に対する一般的な嘆願...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...「諸君のあらゆる想像に任せる!」「凡そ一時間にわたる息苦しい場面の後に……尤も彼女はその間...
牧野信一 「まぼろし」
...建築と共に私たちは徐々に各分野にわたる品物および図書の蒐集に意を注ぎ...
柳宗悦 「民藝四十年」
...雁(かり)がわたるのであろう...
山本周五郎 「日本婦道記」
...この蜿蜒(えんえん)八百里にわたる陣線に...
吉川英治 「三国志」
...魏三代にわたる罪状をかぞえ...
吉川英治 「三国志」
...浅井の家はすこしちがうぞッ」聞えわたるような声を放ちながら...
吉川英治 「新書太閤記」
...西夷(せいい)の国々へまで聞えわたるわが国振(くにぶり)の武家式事(ぶけしきじ)ぞ...
吉川英治 「新書太閤記」
...尾濃にわたる平野戦ともなれば...
吉川英治 「新書太閤記」
...越(こ)ゆるに馴(な)れし木曾川(きそがは)も、わたる思ひは、つねならず逢(あ)ふ瀬(せ)のたびに変(かは)るかな春には秘(ひ)めし、焚(た)き香(かう)のかぶとも、君のおもかげも夏ぐさ茂(しげ)き日とすぎていつしか露(つゆ)の、槍(やり)すすき小牧(こまき)へはやる雄(を)ごころは穂(ほ)にこそ出さね、浪華(なには)なる君も、寝ざめのくろ髪をいかに梳(す)くらん、今朝の秋雲――ふかい朝霧の中をゆく軍馬のうちで、たれかが、歌った...
吉川英治 「新書太閤記」
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