...彼はわずかにほっとした眼を挙げて...
芥川龍之介 「路上」
...わずかに東宝系のP・C・L...
伊丹万作 「映画界手近の問題」
...わずかにその上に白波が立っているのでその所在が知れるぐらいのものである...
知里真志保 「あの世の入口」
...わずかに十二歳であった...
寺田寅彦 「柿の種」
...時間にしてわずかに数十秒長くて二分以内の間隔をおいて...
寺田寅彦 「電車の混雑について」
...そのころからわずかに二十年の間に相次いでなくなった五人の親しい人々の面影を...
寺田寅彦 「亮の追憶」
...わずかにマルクス主義者であることが出来るという具合だ...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...わずかに服の端の縫い取りの名にそれと確かめ...
永井隆 「長崎の鐘」
...わずかに先年大宛(だいえん)を遠征して武名を挙(あ)げた弐師(じし)将軍李広利(りこうり)があるにすぎない...
中島敦 「李陵」
...雨戸はいつも大かた閉(た)てきりで、この東南の一隅だけが、側の高窓の障子で、わずかに明るい...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...電灯は消してあるので、顕微鏡の照明用のラムプの光だけが、わずかに洩れて、雪の壁がほの白く光っている...
中谷宇吉郎 「大雪山二題」
...ひとり露国はわずかに天山の北幹を隔てて...
日野強 「新疆所感」
...わずかに医者の黒い燕尾服の袖口からのぞいていた雪のように白い清潔なワイシャツのカフスを眼に留めただけであった...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...そうしてわずかに消え残っている川面の灯影を乱した...
正岡容 「寄席」
...片側をわずかに人が通れるだけ開けてある...
松本泰 「宝石の序曲」
...その頃これをカモシシと呼んだその名がわずかに程ヶ谷辺に延宝年間まで残り在(い)たのだ...
南方熊楠 「十二支考」
...下屋の板葺(いたぶ)きの建物のほうはわずかに骨が残っているだけ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わずかに小康を得ているだけのことにも喜んでおいでになる院のお気持ちが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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