...わずかに一目見たるのみ...
泉鏡花 「海城発電」
...一彦は怪塔の鉄檻の下にわずかにあいた隙間をくぐって...
海野十三 「怪塔王」
...わずかに円城寺の智證大師坐像の好もしい作が頭に浮ぶくらいである...
高村光太郎 「本邦肖像彫刻技法の推移」
...わずかに小倉金之助博士や再び岡邦雄氏其他を数えることが出来るだけだ...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...いよいよ頼みずくなになってきたので××さんが「なにかいいのこすことはないか」といったらわずかに笑みをうかめてうなずいた...
中勘助 「妹の死」
...わずかに人の注意を惹(ひ)くのは頸(くび)の周囲(まわり)を包む羽二重(はぶたえ)の襟巻だけであるが...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...例えば演奏わずかに二分間そこそこの「エチュードハ短調=作品一〇の一二(革命)」に盛られた...
野村胡堂 「楽聖物語」
...私のとあんまり違いませんよ」わずかに残る足跡へ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その実はわずかに銭を盗まざるのみ...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...わずかに十字なりといえども...
福沢諭吉 「小学教育の事」
...M君がさす金剛杖の手許(てもと)わずかに残る所もあった...
別所梅之助 「雪の武石峠」
...一七五二年で終る四箇年間にはわずかに一一対一〇となり...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...支那の数学についてはわずかに阮元の『疇人伝』があるだけで...
三上義夫 「数学史の研究に就きて」
...わずかに岐阜師範の舎監であった名和靖氏に会ったこと...
武者金吉 「地震なまず」
...「瀬」は両岸の山が迫ってわずかに水流を通ずる所と思うが地形の実地を見ないから断言しがたい...
柳田國男 「地名の研究」
...わずかに残った記憶の中を捜すと...
柳田国男 「雪国の春」
...わずかに渇(かつ)と飢(う)えをしのいだ...
吉川英治 「三国志」
...その子供はわずかに六カ月の後(のち)に死んだので...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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