...わずかなお手伝いをしたいと念じていたのですが...
太宰治 「新ハムレット」
...その火花を石に添えたわずかな火口(ほくち)に点じようとするのだから六かしいのである...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...グラチアはそのわずかな技倆(ぎりょう)をも失ってしまった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼女にとってなんの役にたとう? 自分の隠れた欲望がもっともわずかな努力で花を咲かせるような音楽...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...わずかな嵩(かさ)で一つの小箱に納めることができた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...北海に愚魚ありその名をほっけという肉は白きこと雪片を欺(あざむ)き味はうすきこと太虚(たいきょ)に似たり一片の三石(みついし)の昆布一滴のうすくちの醤油(しょうゆ)真白なる豆腐にわずかなる緑を加うくつくつと貝鍋は煮え夜は更けて味いよいよ新たなりまだ子供たちが幼かった頃...
中谷宇吉郎 「貝鍋の歌」
...むろんこの点では町と田舎(いなか)とではわずかなちがいはあったが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「断食芸人」
...おそらくほんのわずかな悲しみだけであってもはぶいてやろうとしているのだろう...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...絵を見ているわずかな間に酒の支度が出来...
久生十蘭 「予言」
...わずかなことのようだけれども...
三田村鳶魚 「中里介山の『大菩薩峠』」
...姉妹(きょうだい)として交わっていた期間はわずかなことであったから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...天才が作るわずかなものが美しいとも...
柳宗悦 「民藝四十年」
...わずかな崖路を登って一二三ノ目潟を見物し...
柳田国男 「雪国の春」
...わずかな間を偸(ぬす)んで...
吉川英治 「鬼」
...わずかな従者をつれて...
吉川英治 「三国志」
...昼寝の手枕にほんのわずかな間を横になっていたのである...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして留守は、わずかな人数で、守られていたのである...
吉川英治 「新書太閤記」
...わずかな間に、げっそりと衰えた塙郁次郎は、やがて、軍鶏籠(とうまるかご)の人となった...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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