...わずかな賃金と肺病の黴菌とを懐ろにして...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...友人とわずかなお酒を汲(く)み交し...
太宰治 「人間失格」
...わずかながら女性心理の解剖を行っているのはたしかに一進歩にて...
太宰治 「恥」
...このものから次に何であれ右に示した根拠によって極めてわずかなりとも薄弱にせられ得るものは引き去り...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...だからそのわずかな反対の気運も亦...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...わずかな親切を受けても...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...光を包んだわずかな物質にすぎなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その不在はいつもごくわずかな時日だったが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...わずかなことに赤面し...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...わずかな作品だけを残し...
原田義人 「「世界文学大系58 カフカ」解説」
...わずかな笑ひ声にも...
牧野信一 「早春のひところ」
...ほんのわずかな、わざとらしい喝采の声がひびいただけで、あとは一瞬間、重苦しい沈黙がみなぎった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...どこかの大臣輩がわずかな酒に酔っ払ったり芸妓に子を生ませたりして能事とすると大違いだ...
南方熊楠 「十二支考」
...じつはわずかなものなので...
柳田国男 「母の手毬歌」
...わずかな崖路を登って一二三ノ目潟を見物し...
柳田国男 「雪国の春」
...老後わずかな母の余生に仕える子の真情までを抑えて...
吉川英治 「剣の四君子」
...表の土間戸は、逸早(いちはや)く閉めきって、家臣たちは、わずかな隙間、板戸のふし穴などへ、顔をつけていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...こん夜のような場合――やがて一族一門の浮沈を賭して当ろうとする敵を待つ今のわずかな間に...
吉川英治 「宮本武蔵」
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