...文學者などにはわけもなく成るものではない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...たゞわけもなく高いところへよぢ上り...
鈴木三重吉 「勇士ウ※[#小書き片仮名ヲ]ルター(実話)」
...中江は何んだか息苦しくなるものを感じ、ふみにじられるような自分の心を感じて、彼女の言葉はうわの空できき流し、さっきの自分の気持に対して、ただわけもなく、嘘だ嘘だ、と胸のなかで叫んで、そんなら真実のものは何かと、ぼんやり考えるのだった...
豊島与志雄 「立枯れ」
...秋になったと思うと唯(ただ)わけもなく気がせわしくなる...
永井荷風 「すみだ川」
...大それた人を殺す隙(すき)があるわけもなく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...締めたはずの表戸はわけもなく開いて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...わけもなく見透せるような気がしますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...わけもなく宙乗りさせられるでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...笑つちや氣の毒だ」さう言ふ平次もカラカラとわけもなく笑ひたい衝動を感じてをりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それを非難するものなどがあるわけもなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...扉はわけもなく開くような仕掛けになって居るのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何でも私はその晩わけもなく大ざつぱな太平楽を並べて...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...何といふわけもなくうつかり叔父の狂態などを思ひ出した自分をセヽラ笑つて...
牧野信一 「毒気」
...……わけもなく私はさう思つた...
牧野信一 「妄想患者」
...わけもなく隔てを外して振舞うていつた...
室生犀星 「命」
...それならば何も庚申の日の出来事として記憶するわけもなく...
柳田国男 「年中行事覚書」
...バックは卓越した体重を力にわけもなくジョーを圧倒し...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...幼い多聞丸や二郎丸なども、「河内へ帰るの?」と、わけもなくただ、はしゃぎ廻った...
吉川英治 「私本太平記」
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