...――狼狽(ろうばい)した余り...
芥川龍之介 「貉」
...明かに狼狽(ろうばい)の色を見せはじめた...
海野十三 「空襲葬送曲」
...それは狼狽(ろうばい)のあまり妾が他の品物と一緒に抛りこんでしまったものに違いなかった...
海野十三 「三人の双生児」
...ただ意味なく狼狽(ろうばい)と恐怖とに襲(おそ)われているように思うであろうが...
海野十三 「蠅」
...自分の身の程を知らされて狼狽(ろうばい)していただけの事でありました...
太宰治 「風の便り」
...私は多少狼狽(ろうばい)して後をも振り向かず急いで歩き出した...
太宰治 「乞食学生」
...ひどく狼狽(ろうばい)する私たち...
太宰治 「豊島與志雄著『高尾ざんげ』解説」
...最初の報知に接した時の姉の狼狽(ろうばい)した有様や...
谷崎潤一郎 「細雪」
...所かまわず歌の途中からやにわに飛び込んで来るので踊り手はちょっと狼狽(ろうばい)してまた初手からやり直しになる...
寺田寅彦 「沓掛より」
...彼は大狼狽(だいろうばい)で...
徳田秋声 「仮装人物」
...マグロアールがすっかり狼狽(ろうばい)して彼の所へかけてきた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...がんりきが甚だしく狼狽(ろうばい)しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...後で多少料理番を狼狽(ろうばい)させるだけのことで...
中里介山 「大菩薩峠」
...狼狽(ろうばい)してことを乱すと...
中里介山 「大菩薩峠」
...不意にわたしの眼とかち合ったあの瞬間の狼狽(ろうばい)ぶりでよくわかる...
中里介山 「大菩薩峠」
...そのわくわくがいつの間(ま)にか狼狽(ろうばい)の姿に進化しつつある事さえ...
夏目漱石 「明暗」
...蝋梅(ろうばい)についで早(はや)く花(はな)をひらくまんさくは日本(につぽん)だけの山中(さんちゆう)に...
本多靜六 「森林と樹木と動物」
...自分としてはどんな事態がやって来ようと狼狽(ろうばい)しない覚悟をしているほかはない...
山本周五郎 「落ち梅記」
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