...棹(さお)によれよれに見えるのも...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...油に汚れたよれよれのハンカチーフが出てきただけであった...
海野十三 「英本土上陸戦の前夜」
...よれよれの兵児帯(へこおび)を締めている...
江戸川乱歩 「D坂の殺人事件」
...よれよれてのぼる火繩(ひなは)の秋をうつろにする...
大手拓次 「藍色の蟇」
...黒っぽい着物のよれよれに纒いついて臀部...
豊島与志雄 「丘の上」
...よれよれの銘仙の着物...
豊島与志雄 「在学理由」
...赤いものはよれよれの紐一と筋だけ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...肩の透いた袷、よれよれの帯、油気のない髪――それは見る影もない姿ですが、眼の涼しさにも、頬の豊かさにも、十八の青春は美しく燃えて、貧苦も艱難も虐げ尽せぬものがこの娘にあります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...よれよれのマッチを取つて來て...
林芙美子 「暗い花」
...ボイルの浴衣に雨傘を持ったよれよれの女の姿はこの男には却(かえ)って好都合なのだろう...
林芙美子 「新版 放浪記」
...よれよれの服は黒さび色...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...よれよれのフロックコートを着たみすぼらしい男がきっとクラークスンだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...服はきちんと着ているが、よれよれ、くたびれている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...よれよれの服を着た薄汚い男がジョージ卿を尋ねて...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...よれよれの単衣(ゆかたがけ)か何かで...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...誰も世話の仕手がない彼の身装(みなり)は幾星霜もの汗と埃を浴びたままで、よれよれだつた...
牧野信一 「円卓子での話」
...飛白(かすり)のよれよれの衣物(きもの)を着た味噌歯(みそっぱ)の少年が飛出して来て...
松本泰 「秘められたる挿話」
...よれよれのネクタイ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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