...本來發動せぬをよしとする行動である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...ビゼーはまだよしとするもワグナーまでハーモニカで吹きこなすには...
石川欣一 「比島投降記」
...理性のよしとするものを実行することが出来ないのは...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...何人も健康をよしとする意味に於て...
戸坂潤 「思想としての文学」
...従来通りでよしとするもの僅か五十通...
戸坂潤 「社会時評」
...彼らはむしろ古い不幸の方をよしとするだろう...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それは悉皆(みんな)が互(たがひ)に心(こゝろ)に記憶(きおく)を反覆(くりかへ)して快(こゝろ)よしとする程(ほど)彼等(かれら)を憎(にく)んでは居(ゐ)なかつたからである...
長塚節 「土」
...親指の腹は赤裸なるをもってよしとする...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...それでよしとするさ...
夏目漱石 「虞美人草」
...中には軍隊のそれにも劣らない厳重苛酷な態度をよしとするものもあれば...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...人間の理性と品位を足下にふみにじるのをこころよしとする...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...苦しさをも快よしとするような高く翔ぶ味でなく現れるのですね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私はわざと手前勝手にふるまうのをよしとする性質だが...
山川方夫 「演技の果て」
...楊儀の下に従うことなどは魏延はいさぎよしとする所ではない...
吉川英治 「三国志」
...ただ盲目的な追撃を誇ってよしとするのではなく...
吉川英治 「私本太平記」
...即刻東上をよしとする意見とが二つにあったものとみえる...
吉川英治 「私本太平記」
...晩秋、地には枯葉捲(ま)いて、天には孤月寒く、そぞろ兵の胆心にも、父母や弟妹への思慕と郷愁の多感なる頃をもって、最もよしとする...
吉川英治 「新書太閤記」
...これはいわゆる日本的なものの現われていないのをかえってよしとする見方である...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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