...やがて馬場(ばば)を八分目ほど廻った頃を計(はか)って手綱をゆるめると馬は思い存分頸(くび)を延ばしてずんずんおくれた馬から抜き出した...
有島武郎 「カインの末裔」
...年明けてゆるめる心!うっとりと来(こ)し方(かた)をすべて忘れしごとし...
石川啄木 「悲しき玩具」
...糟谷(かすや)も殺(ころ)すの一言(ごん)を耳にして思わず手をゆるめる...
伊藤左千夫 「老獣医」
...だんだん速度をゆるめると共に浮力をつけた...
海野十三 「三十年後の世界」
...速力をウンとゆるめる場所があります...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...速力をゆるめるにつれて...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...新らしい光澤のある大きな瓣の相擁いてゐたのが手をゆるめる...
高濱虚子 「俳諧師」
...その間ちっとも力をゆるめることは出来ないし...
中谷宇吉郎 「大謀網」
...あっちをゆるめるとこっちが釣れると云う按排(あんばい)で...
夏目漱石 「坑夫」
...ちょっと気をゆるめると...
久生十蘭 「春の山」
...警戒しながら速力をゆるめると...
火野葦平 「糞尿譚」
...しかしそれも進行の速度をゆるめるといふ程度に過ぎず...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...歩く足をゆるめるとそれが紫の糸の通って居る絹針だと云う事とその先に一寸曇って血のついて居るのが分った...
宮本百合子 「お女郎蜘蛛」
......
三好十郎 「捨吉」
...この兄弟のつながりを驚くほど解きゆるめる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「発車しようぜ」そして制動機をがらがらとゆるめるのだが...
山本周五郎 「季節のない街」
...もう少しゆるめるように...
吉川英治 「三国志」
...心の紐(ひも)をゆるめるなかれ...
吉川英治 「神州天馬侠」
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