...やがて馬場(ばば)を八分目ほど廻った頃を計(はか)って手綱をゆるめると馬は思い存分頸(くび)を延ばしてずんずんおくれた馬から抜き出した...
有島武郎 「カインの末裔」
...そこで突然繩をゆるめるので...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...年明けてゆるめる心!うっとりと来(こ)し方(かた)をすべて忘れしごとし...
石川啄木 「悲しき玩具」
...まだまだそんなことで手をゆるめるつもりはありませんでした...
海野十三 「怪塔王」
...だんだん速度をゆるめると共に浮力をつけた...
海野十三 「三十年後の世界」
...速力をウンとゆるめる場所があります...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...すこし歩をゆるめるであろう...
太宰治 「葉」
...そこで足をゆるめると...
田中貢太郎 「虎杖採り」
...机に向っていてもふと気をゆるめると...
豊島与志雄 「生あらば」
...さうしてみんながくたびれて火の手をゆるめると勝手にこしらへた言語道断なことを耳うちしてひとりびとりたきつけてあるく...
中勘助 「銀の匙」
...あっちをゆるめるとこっちが釣れると云う按排(あんばい)で...
夏目漱石 「坑夫」
...告訴からゆるめる権限は持っているんです...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
......
樋口一葉 「闇桜」
...しかしそれも進行の速度をゆるめるといふ程度に過ぎず...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...おもむろに力をゆるめる綱といつしよに...
牧野信一 「酒盗人」
...弟が左の手をゆるめるとそこからまた息が漏ります...
森鴎外 「高瀬舟」
...ストッキングを結んだ華美な薔薇の花模様の結び目をゆるめると...
吉行エイスケ 「女百貨店」
...少年は思わず握った手をゆるめる...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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