...ふらふらとゆらめきながら上のほうに遠ざかって行った...
有島武郎 「或る女」
...そして、ふと電燈を持ち換る時などには、あたりの木の枝が、不気味な生きものの様に、ゆらめき、時としては、私自身が燈光の直射にあって、思わず樹幹(じゅかん)に身を隠すこともありました...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...それがともし火の穂のゆらめきを映し...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...帯には銀糸で縫いを施した二たすじ三すじの波がゆらめき...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
......
峠三吉 「原爆詩集」
...或年大地俄にゆらめき火は都を燬(や)きぬ...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...三本目のローソクは誰もゐない部屋でゆらめきゆらめき小さくなつてゐた...
林芙美子 「浮雲」
...狭い桟橋は波にゆらめき...
林芙美子 「浮雲」
...ローソクの灯が足もとにゆらめき...
林芙美子 「浮雲」
...浮きたつような明るさでゆらめきだした...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...船の前方の海面がゆらめき...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...クルマが廻り出した時の小屋全体は恰も難破船のやうにゆらめき...
牧野信一 「沼辺より」
...その間の波の止所(とめど)のないゆらめきにまだ酔っています...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...帯のように霧がゆらめき升って来ます...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...彼の内部の生命の火花はゆらめき...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...忽ち(どう)という大音響を室(へや)中にゆらめき起しつつ...
夢野久作 「暗黒公使」
...月光のゆらめき遠くかすみ渡っているときだ...
横光利一 「欧洲紀行」
...その明りのゆらめきを下で破って...
吉川英治 「私本太平記」
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