...木の葉をゆする風につれて...
有島武郎 「幻想」
...サイレンに似た海底をゆするような音がひびいた...
海野十三 「太平洋魔城」
...娘の身代金として宝石をゆするという手には...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...枝をゆすると、重々しくばらばら散る...
豊島与志雄 「霧の中」
...玉蜀黍をゆする風の音につれて道端に鳴く蟲の音が俄に耳立つて來るので...
永井荷風 「羊羹」
...それは酒料(さかて)をゆするくらいのものだろう...
中里介山 「大菩薩峠」
...こいつはゆするべき筋があると睨(にら)んだ時に限るのである...
中里介山 「大菩薩峠」
...竹はうるさげにさらさら身をゆする...
長塚節 「太十と其犬」
...梢をゆする秋風の外に...
樋口一葉 「琴の音」
...摺鉢の蜆(しじみ)ッ貝をゆする音がざくざく...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...川に面した縁側の玻瑠(ガラス)戸をゆする木枯の日もあつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...山をゆする声になるのであろう...
森鴎外 「杯」
...肩をゆすることもできなかった...
山川方夫 「演技の果て」
...ゆする相手が破産をしたり...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...鉄の鎖をゆする蝉(せみ)...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...轟(ごう)――と闇をゆする峰颪(みねおろ)しに紛(まぎ)れて...
吉川英治 「剣難女難」
...山嵐(さんらん)をゆする三井寺(みいでら)の大梵鐘(だいぼんしょう)が...
吉川英治 「神州天馬侠」
...天狗がゆするように...
吉川英治 「宮本武蔵」
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