...木の葉をゆする風につれて...
有島武郎 「幻想」
...小さな窓から家の内まで入つて來て鈴のついた納簾の紐をゆする...
心猿 「荷風翁の發句」
...娘の身代金として宝石をゆするという手には...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...大びらにゆするやうな駄々をこねたりしてゐた...
小穴隆一 「二つの繪」
...海から五月の風が日の丸をゆする生れた土のからたちが咲いてゐるよ旅の人としふるさとの言葉をきいてゐる(再録)露でびつしより汗でびつしより五月五日雨...
種田山頭火 「行乞記」
... 200『あゝ大地をゆする者...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...大地をゆするポセードーン...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...木枯の風が庭の大樹(だいじゅ)をゆする響に...
永井荷風 「狐」
...障子や戸をゆする例の不愉快な音は幸ひに絶えてゐるが...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...「これより見え隠れに二人が駕籠の跡を追い、高橋が乗物の離れたる折を見て清川を血祭りにする、もしその折を得ずば二人もろとも」「よし、それも一策じゃ、しからばこの仕事の采配(さいはい)を土方氏、貴殿に願おうか」芹沢にいわれて土方歳三は言下(げんか)に引受け、「承知致した、貴殿ならびに近藤氏はこれに待ち給え、仕留(しと)めて参る」「総勢十三人、よいか」「よし」このとき近藤勇は、ふと一座の一隅(いちぐう)を振返って、「吉田、吉田氏」少し酔うてさきほどから眠っていたらしい一人を呼びかけて、押しゆすると、むっくり起きてまばゆき眼を見開いたのは机竜之助でした...
中里介山 「大菩薩峠」
...快く心をゆする音楽に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...金銭をゆするはおろか時によると...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...寒い北風か? 古寺の戸障子をゆする冷たげな音が...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...あれは取れぬと云ひながら子守はやけに脊ゆする...
水谷まさる 「歌時計」
...あの人を枷(かせ)にして津ノ正から金をゆするつもりになった...
山本周五郎 「ひとでなし」
...尖(とが)りたる赤むらさきの草ぞゆするる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...天井をゆするような声で...
吉川英治 「三国志」
...山嵐(さんらん)をゆする三井寺(みいでら)の大梵鐘(だいぼんしょう)が...
吉川英治 「神州天馬侠」
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