...体をゆするくせも...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人々(野依秀一、中村弧月印象録)」
...サイレンに似た海底をゆするような音がひびいた...
海野十三 「太平洋魔城」
...わしをゆするつもりなんだ...
江戸川乱歩 「超人ニコラ」
...ばさりとススキをゆする風が西山から来ると...
高村光太郎 「山の秋」
...こいつはゆするべき筋があると睨(にら)んだ時に限るのである...
中里介山 「大菩薩峠」
...明(あか)らさまにはゆすることも出来ず...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...要所の手くばりもあらましここにすみぬれば手代が下知の一聲に家臺(やたい)をゆする物音やたまたま晝の閑寂に庭の椿の落つる頃...
萩原朔太郎 「煤掃」
...突拍子(とっぴょうし)な音を立てて肩をゆする...
林芙美子 「風琴と魚の町」
...それから彼は――こっそり芸人の身体を少しゆするので...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「断食芸人」
...梢をゆする秋風の外に...
樋口一葉 「琴の音」
...がアッシャーの規則的な体をゆする運動は少しも乱れなかった...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...掃除をするのを面倒がつて軽く枝をゆすると...
牧野信一 「蔭ひなた」
...川に面した縁側の玻瑠(ガラス)戸をゆする木枯の日もあつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...山をゆする声になるのであろう...
森鴎外 「杯」
...お前は空(から)の息(いき)で空気をゆするが好(よ)い...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...あの人を枷(かせ)にして津ノ正から金をゆするつもりになった...
山本周五郎 「ひとでなし」
...わたしも稀(まれ)に身をゆする...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...轟(ごう)――と闇をゆする峰颪(みねおろ)しに紛(まぎ)れて...
吉川英治 「剣難女難」
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