...彼女の顔が心持ち喜びにゆがんだようであった...
海野十三 「四次元漂流」
...(ほんとうのニヒリストは自尊心すらも放棄しているはずだ)彼らをして罪を犯させたものは何よりもゆがんだ自尊心だったといえる...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...途中ところどころ家の柱のゆがんだのや壁の落ちたのが眼についた...
寺田寅彦 「静岡地震被害見学記」
...この時はゆがんだような笑いのかげもなく...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...シルヴァン・コーンは、背の低い太った男で、アメリカ風にすっかり髭(ひげ)を剃(そ)り、赤すぎる顔色、黒すぎる髪、広い厚ぼったい顔つき、脂(あぶら)ぎった顔だち、皺(しわ)寄った穿鑿(せんさく)的な小さい眼、少しゆがんだ口、重々しい意地悪げな微笑をもっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「まだ若いんだね」と口のゆがんだ神さんが...
夏目漱石 「坑夫」
...ほんの二三行の病人らしい苦惱にゆがんだ文字に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ほんの二三行の病人らしい苦悩にゆがんだ文字に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...月夜へんてこの月夜の晩にゆがんだ建築の夢と醉つぱらひの圓筒帽子(しるくはつと)...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...帽子がすっかりゆがんだので...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...フリーダの顔は、助手に対しては親しみのために、Kに対しては訴えるような当惑のために、ゆがんだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...ゆがんだ微笑を浮かべ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...この川のはるか向こうに不規則(ふきそく)にゆがんだ地平線までは...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...つとめて笑おうとしてゆがんだ顔が...
三好十郎 「その人を知らず」
...――友吉の方へ立ちかける)友吉 ……(苦しみにゆがんだ顔)許してください...
三好十郎 「その人を知らず」
...顔のゆがんだ尼たちだけであったから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
......
室生犀星 「愛の詩集」
...途途どうしても梨の実の尻ふとりにゆがんだ形が忘られなかつた...
室生犀星 「故郷を辞す」
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