...スケッチがすむと私は夫人ゆかりの観心寺その他を一巡して往時を偲んだ...
上村松園 「楠公夫人」
...何のゆかりもない私が今...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...縁もゆかりもない眼無しの大きな牛の頭が...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「グーセフ」
...暮山一朶の春の雲緑の鬢を拂ひつゝ落つる小櫛に觸る袖もゆかしゆかりの濃紫羅綺にも堪へぬ柳腰(りうやう)の枝垂(しだり)は同じ花の縁花散りはてし夕空を仰げば星も涙なり...
土井晩翠 「天地有情」
...寺と墓地とは縁もゆかりもない千歳村の此耕さるべき部分の外に行き得る場所はないのであろう乎...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...明日はアロアの名前にゆかりのある聖徒祭(せいとさい)の日でしたが...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...初めてこれを売り出した天竺浪人が越後の藩の者なので「雪にゆかりあるものなれば之を記す」と断り書がしてある...
中谷宇吉郎 「雪の話」
...春日野ゆかりはそんな事に驚くような柄の女ではありません...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...江戸の小説歌曲にゆかりの深い名木だつた...
長谷川時雨 「花火と大川端」
...紫のゆかりふかき身をもて西の国にあなる藤原氏の一女を...
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...縁もゆかりもない自分を...
林不忘 「あの顔」
...北川千代と名乗っているんだね? それはどういうわけか」「一口には申しあげかねます」「それはよろしい……北川フサは縁もゆかりもない赤の他人だといったが...
久生十蘭 「虹の橋」
...夫(そ)れから玉造(たまつくり)の与力に少し由縁(ゆかり)を得て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...ひとたびゼーロンとしての因果なゆかりを持つた上は...
牧野信一 「夜見の巻」
...京にはながくいなかったのですね」「はい……」「ここへはどういうゆかりで住みついたのですか」「榁先生のおせわでございました」「そしてそれ以来ずっと独り身で...
山本周五郎 「日本婦道記」
...何の縁(ゆかり)もない機屋であったが...
吉川英治 「篝火の女」
...一つ根から咲き分れた由縁(ゆかり)も古いお家ですのに」「血は薄いものだ...
吉川英治 「私本太平記」
...――それやこれ鎌倉こそは源氏に由緒(ゆかり)の深い第一の地と思う...
吉川英治 「源頼朝」
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