...それなら已(やむ)を得ませんから離縁して頂きますわ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「恐怖の幻兵団員」
...やむを得ずば十円...
太宰治 「誰」
...「ホントにばかばかしいったらありゃしない、金公の野郎、覚えていやがれ」余憤容易に去らず、これは昨晩、金助が両国橋まで一目散(いちもくさん)に逃げて、さてその下駄を突っかけようとして見ると、片一方だから、やむを得ず、そこへ並べて置捨てにしていったものに相違ない...
中里介山 「大菩薩峠」
...やむなく家康にお目にかかりに罷(まか)り出でたことは出でたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...平生の節義を改めなければならぬほどのやむを得ぬ事情ではないのだ...
中島敦 「李陵」
...しかし時々はこの筆の音がぴたりとやむ...
夏目漱石 「文鳥」
...またやむを得ないことだったと思います...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...それでも、なお、書きたいことが多かったが、あまり長談義になるので、やむなく、大正時代を端折って、明治篇、昭和篇の二部にしてしまった...
火野葦平 「花と龍」
...釣つたやつを生のままむしやむしや食つてしまふのだと解つた...
北條民雄 「白痴」
...」けれども私はどうしてもまだ泣きやむことができませんでした...
宮沢賢治 「黄いろのトマト」
...この拍手が一しきりやむと...
宮原晃一郎 「風変りな決闘」
...やむを得んかも知れんなあ...
三好十郎 「冒した者」
...人に心の惹(ひ)かれることのやむ時がない自分であると源氏は恥じた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...これまた今の世のやむなき乱れというほかない...
吉川英治 「黒田如水」
...魏軍に屈伏するのやむなきにいたった...
吉川英治 「三国志」
...ついにまた入内(じゅだい)をやむなくしたが...
吉川英治 「私本太平記」
...掌中(しょうちゅう)の大敵を逃がしたなどと悔やむ色も狼狽(ろうばい)もまったくない...
吉川英治 「私本太平記」
...これは人としてやむを得ないことである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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