...やっとこう口を切りました...
芥川龍之介 「報恩記」
...やっとここまで取(と)りまとめたのでございます...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...やっとこの急なところを登るとよほど楽になる...
板倉勝宣 「五色温泉スキー日記」
...青山は、いきなり逃出したいのを、やっとこらえて、「こん畜生」と叫びながら、めくら滅法に、怪物めがけて突進んで行った...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...寝てからやっとこのかたことの意味をさとった...
太宰治 「ロマネスク」
...お町は後から大きな飯櫃(めしびつ)をやっとこさと拘(かか)えて来た...
田中貢太郎 「春心」
...近よってみると、まだ新しいナムバア・プレェトが、アスファルト路の欠けた処を塞(ふさ)ぐために釘(くぎ)づけにしてあるのを、子供達が、各自家から持出した、金槌(かなづち)、やっとこの類で、取りはずすのに、大童(おおわらわ)でした...
田中英光 「オリンポスの果実」
...大きな長靴をやっとこさで穿いてから...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...わしはやっとここまで泳いできたんだよ...
塚原健二郎 「海からきた卵」
...それがやっとこの頃になって久し振りのその沈黙を破って再び元気よくわれわれに話しかけることになった...
寺田寅彦 「ラジオ雑感」
...三月になってやっとこの方もとにかく我慢出来る程度の場面が撮れた...
中谷宇吉郎 「映画を作る話」
...やっとこさで辿りついたと思うと...
久生十蘭 「だいこん」
...長い「やっとこ」で...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...「どうもこうもありゃしません」それでもやっとここの旦那に巡り合えた嬉しさがよほど元気を取り戻したものとみえ...
正岡容 「寄席」
...今月はいくつもおことわりをしてやっとこれだけ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私がやっとこの頃ゆるやかな神経で横にもなっていることが判っていただけるでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...」私はやっとこれだけのことが言えた...
室生犀星 「幼年時代」
...重たそうにやっとこさ泳ぐのである...
山本周五郎 「桑の木物語」
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