...また直(す)ぐ寝たくなる時の力なき眼に愛(め)でしチュリップ!堅(かた)く握(にぎ)るだけの力も無くなりしやせし我が手のいとほしさかな...
石川啄木 「悲しき玩具」
...先づ第一番に空気は少々冷やせばいゝのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...もう二度とこうして二本足で甲板に立っていられやせんじゃないか」「そうでもないぞ...
海野十三 「火薬船」
...なんというひどいやつれかたでしょう! やせてること...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...かわいいほどやせほおけた色男だね...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...やせこけた皺だらけの手で...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...狂画葛飾振の図中には痩細(やせほそ)りし脚(あし)...
永井荷風 「江戸芸術論」
...意気な何時(いつ)もの着流しよりもぐっと丈(せい)の高く見える痩立(やせだち)の身体(からだ)は危(あやう)いまでに前の方に屈(かが)まっていた...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...いけやせん」と鐚は扇子を斜(しゃ)に構え...
中里介山 「大菩薩峠」
...顔色が茶わんのように白くて、やせていた...
新美南吉 「嘘」
...なんだか小さいやせたアモオルのような観があった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...皮肉変色憔悴(やせ)萎(しお)れ黄ばんだので...
南方熊楠 「十二支考」
...前の晩一晩倉前のつめたい石の上で泣き明した青白い面やせた力ない男を前に置いてお龍は父親に代ってと云って最後の命令をあたえた...
宮本百合子 「お女郎蜘蛛」
...ユリすこしやせるかなと笑っていらしったけれど...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...やせて尖った小鼻とがまた目にうつり出してきた...
室生犀星 「香爐を盗む」
...四三痩馬(やせうま)の日二月十五日にはどんな食物を調(ととの)え...
柳田国男 「年中行事覚書」
...馬の代(しろ)を騙(かた)り取ったぞよ」「流人根性!」「配所の穀(ごく)つぶし」「馬を返(か)やせ」「その馬を渡せ」何かそんな意味らしい...
吉川英治 「源頼朝」
...そこに待っていた一個の痩法師(やせほうし)が...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索