...やさしいネコの顔でいいました...
江戸川乱歩 「黄金豹」
...当時佐助は五つ六つの曲をどうやらこなすまでに仕上げていたので知っているだけを皆やってみよと云われるままに度胸を据(す)えて精限り根限り弾いた「黒髪(くろかみ)」のようなやさしいものや「茶音頭」のような難曲や素(もと)より何の順序もなく聞き噛(かじ)りで習ったのであるからいろいろのものを不規則に覚えていたのである鵙屋の家族は佐助が邪推(じゃすい)したように笑い草にする積りであったかも知れないが...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...眼には柔和なやさしいところがあって...
田山花袋 「少女病」
...やさしい笑(え)みをうかべています……...
豊島与志雄 「活人形」
...ほんとうに孝行なやさしい娘だといって...
豊島与志雄 「死の前後」
...平和なやさしい眼で彼をながめた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...保子は姉――美しいやさしい姉であった...
豊島与志雄 「反抗」
...万事を放擲するつもりではいたが、やはり、何かを、やさしい眼付を、心の底に懐いて去りたかった...
豊島与志雄 「反抗」
......
萩原朔太郎 「青猫」
...やさしい微風と、葉ずれの音の合唱に和して、噴き上げの水がたえず規則正しい四分の三拍子でさらさらと流れつづけている...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...柳と松そらそらお庭を見てごらん柳はやさしいおぢやうさん松はがうじやうおぼつちやん...
水谷まさる 「歌時計」
...お声もあんぐわいやさしいので...
宮原晃一郎 「賢い秀雄さんの話」
...あなたのやさしい笑顔や...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...とにかくやさしい神様の特別のお情けによって...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼らは面白くてやさしい...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その心根はやさしい...
吉川英治 「三国志」
...長やかな黒髪もやさしい曲線を描いた...
吉川英治 「平の将門」
...こころやさしいシンデレラのとりはからいで...
アンドルー・ラング再話 Andrew Lang 大久保ゆう訳 「シンデレラ」
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