...やさしいものであるが……...
佐野昌一 「虫喰ひ算大會」
...斎藤のは如何にもやさしい所があるじゃありませんか...
江戸川乱歩 「心理試験」
...そんな生やさしい問題ではありません...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...この海女の優にやさしい風情こそ...
高神覚昇 「般若心経講義」
...そのやさしい心のいかに生活の嵐に吹(ふ)きすさまれているかを考えて同情した...
田山花袋 「田舎教師」
...良人(おっと)はやさしい人で...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...この抱擁が生やさしい抱擁でなかったことは...
中里介山 「大菩薩峠」
...花子は勿論やさしい気質と...
中村地平 「悪夢」
...あんなやさしいお孃さんは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...旅愁なんかと云うなまやさしいものではなかった...
林芙美子 「新版 放浪記」
...ただ足にぶかぶかにはまっているだけの屋内靴を脱ぐといういちばん不必要でいちばんやさしいことから始めたのに...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...今夜もまた縁なくしてとうとう会えなかったやさしい夢見がちな目の持ちぬしのおもかげを...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...京のようなやさしい気分になったのでありましょう...
正岡子規 「俳句上の京と江戸」
...どんな仏さまよりやさしいのだ」「え? 島抜け?」と...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...大きなやさしい桃いろの月がのぼつたのでした...
宮沢賢治 「かしはばやしの夜」
...全くもう車の中ではあの黒服の丈高い青年も誰もみんなやさしい夢を見てゐるのでした...
宮沢賢治 「〔「銀河鉄道の夜」初期形一〕」
...殆んど首席で通して来た――気のやさしい...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...ありがとう」秀吉はたいへんやさしい声で...
吉川英治 「神州天馬侠」
便利!手書き漢字入力検索