...一月一日の時事新報に瘠我慢(やせがまん)の説(せつ)を公(おおやけ)にするや...
石河幹明 「瘠我慢の説」
...たいまつこゝにやけおちて綱(つな)をやきゝり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...火傷(やけど)しそうに熱いのを...
高見順 「いやな感じ」
...耳ざとい都の人にはいち早くこの珍妙の裁判の噂(うわさ)がひろまり、板倉殿も耄碌(もうろく)したか、紛失の金子の行方も調べずに、ただ矢鱈(やたら)に十人を叱(しか)って太鼓をかつがせお宮参りとは、滅茶(めちゃ)苦茶だ、おおかた智慧者(ちえしゃ)の板倉殿も、このたびの不思議な盗難には手の下し様が無く、やけっぱちで前代未聞(みもん)の太鼓のお仕置きなど案出して、いい加減にお茶を濁そうという所存に違いない、と物識(ものし)り顔で言う男もあれば、いやいやそうではない、何事につけても敬神崇仏、これを忘れるなという深いお心、むかし支那(しな)に、夫婦が太鼓をかついでお宮まいりをして親の病気の平癒(へいゆ)を祈願したという美談がある、と真面目(まじめ)な顔で嘘(うそ)を言う古老もあり、それはどんな書物に出ています、と突込まれて、それは忘れたがとにかくある、と平気で嘘の上塗りをして、年寄りの話は黙って聞け、と怒ってぎょろりと睨(にら)み、とにかく都の評判になり、それ見に行けとお役所の前に押しかけ、夫婦が太鼓をかついでしずしずと門から出て来ると、わあっと歓声を挙げ、ばんざいと言う者もあり、よう御両人、やけます、と黄色い声で叫ぶ通人もあり、いずれも役人に追い払われ、このたびのお仕置きは、諸見物の立寄る事かたく御法度(ごはっと)、ときびしく申しわたされ、のこり惜しそうに、あとを振り返り振り返り退散して、夫婦はそれどころで無く大不平、なんの因果で、こんな太鼓をかついでのこのこ歩かなければならぬのか、思えば思うほど、いまいましく、ことにも女は、はじめから徳兵衛の事などかくべつ可哀想(かわいそう)とも思わず、一銭の金でも惜しい大晦日(おおみそか)に亭主が勝手に十両などという大金を持ち出し、前後不覚に泥酔して帰宅して、何一ついいことが無かった上に亭主と共にお白洲に呼び出され、太鼓なんか担(かつ)がせられて諸人の恥さらしになるのだから、面白くない事おびただしい...
太宰治 「新釈諸国噺」
...眼下には赤ちやけた低い山で取巻かれたかなりにひろい野があらはれて来た...
田山録弥 「石窟」
...やけ気味で煙管を取り上げると...
中里介山 「大菩薩峠」
...と自暴酒(やけざけ)を飲んで...
中里介山 「大菩薩峠」
......
中島敦 「和歌でない歌」
...彼(かれ)は自分(じぶん)の燒趾(やけあと)を掻(か)き立(た)てようとするのに鳶口(とびぐち)も萬能(まんのう)も皆(みな)其(その)火(ひ)の中(なか)に包(つゝ)まれて畢(しま)つて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...斯う見張つて居るだけが無駄見たいなものさ」「自棄(やけ)な寒さぢや無いか」「ハクシヨ」そんな話をして居ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...やけに丈夫だから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...自棄(やけ)にさう左に曲げるのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少しばかりの火傷(やけど)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...決して自墮落(じだらく)な自棄(やけ)なもので無かつたことがよくわかります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...公(おおやけ)へ届け出しもいたされたら...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...目路(めじ)の涯(はて)はぼやけて...
三島霜川 「平民の娘」
...彼はすっかり日にやけていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...ふたりはまだ公(おおやけ)にゆるされている間ではありません...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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