...先ず急須に薬罐(やかん)から熱湯を注ぎ込む...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...下女のツルはイソイソとしてやかんをさげ...
井上円了 「おばけの正体」
...老栓は忙しそうに大薬鑵(おおやかん)を提げて一さし...
魯迅 井上紅梅訳 「薬」
...生きているのをそのまま薬鑵(やかん)の熱湯に投げ込めばそれでよかった...
太宰治 「惜別」
...小使は大きな薬罐(やかん)に茶を入れて持って来て...
田山花袋 「田舎教師」
...「……昨夜間潭夢落花(さくやかんたんらっかをゆめむ)...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...タオルに薬罐(やかん)の湯をそそぎ...
壺井栄 「大根の葉」
...その上にはアルミの薬鑵(やかん)がかけてある...
永井荷風 「ひかげの花」
...つい寝ていた親爺の薬鑵頭(やかんあたま)を蹴飛ばしちまいましてね...
中里介山 「大菩薩峠」
...ストーブの上に煮えたつてゐるやかんのなかから...
林芙美子 「浮雲」
...房江は電氣コンロに凸凹のやかんをかけてスイッチを入れた...
林芙美子 「暗い花」
...正直安兵衛とて神はこの頭(かうべ)に宿り給(たま)ふべき大薬罐(おほやかん)の額ぎはぴかぴかとして...
樋口一葉 「大つごもり」
...薬罐頭(やかんあたま)の醜(みにく)さは人に見らるるも恥かしき思いなりしが...
福田英子 「妾の半生涯」
...手桶(ておけ)薬缶抔(やかんなど)を提(さ)げたる人だち我も我もと押し掛くる事故(ことゆえ)我ら如き弱虫は餓鬼道の競争に負けてただ後(しり)ごみするのみなれば何時飯を得べくとも見えざるにぞ思ひかねて甲板の右舷より大廻りして他の口に行けばここも同じ事なり...
正岡子規 「従軍紀事」
...猟師の舎に入って毛氈鉄砲薬鑵(やかん)小刀その他一切の什具を盗み去って諸処に匿すのだ...
南方熊楠 「十二支考」
...水色やかんを下げてYが...
宮本百合子 「新しきシベリアを横切る」
...今聞えて来るエジャナイカの叩きこわしは何のための騒ぎだい? 此処を通るという一揆だ! みんな虫のせいやかんのせいで冗談半分にやっていることなのか? 大違えのコンコンチキだろうて! みんな民百姓下々の食えねえ苦しまぎれのなす業(わざ)だ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...底抜け薬鑵(やかん)...
夢野久作 「近眼芸妓と迷宮事件」
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