...葉子の家庭すなわち早月家(さつきけ)は砂の上の塔のようにもろくもくずれてしまった...
有島武郎 「或る女」
...もろくもぽきりと折れた...
有島武郎 「或る女」
...杉箸細工の棒切れはもろくも折れて...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...鬼川は横腹をおさえて、もろくも、転倒した...
海野十三 「空襲葬送曲」
...明智はもろくも撃ち倒されたのか?だが...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...もろくも叩(たた)き切られていた...
大阪圭吉 「灯台鬼」
...黄葉もみぢ葉は次から次へともろくも散つていつた...
薄田泣菫 「独楽園」
...両個の敵はもろくも彼の前にのめった...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...「あッ!」胸を射貫(いぬ)かれて、大男は、もろくも、甲板に殪(たお)れてしまった...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...もろくも囲炉裏(いろり)のそばまで引き戻されてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...もろくもお葉の惡戯(いたづら)に引つかゝり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...すると蠅はもろくも死骸となって落ちて来た...
原民喜 「蠅」
...つまり私はその相次ぐ不幸の連続にもろくも惨敗してしまったのである...
正岡容 「わが寄席青春録」
...彼氏の縋(すが)った岩角がもろくも砕けて吁(ああ)っと思う間もなく...
百瀬慎太郎 「案内人風景」
...もろくも薙立(なぎた)てられて部下もろとも逃げだした...
吉川英治 「三国志」
...黄忠の部下は、一時、鼓を鳴らし、喊声をあげ、甚だ旺んに見えたが、もろくも潰えて、蜘蛛の子のように夕闇へ逃げなだれた...
吉川英治 「三国志」
...もろくも打ち負けて退却した...
吉川英治 「三国志」
...直冬はもろくも京都をすてて山陰の石見(いわみ)へ逃げ落ち...
吉川英治 「私本太平記」
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