...一言一句も聞きもらすまいとしている...
海野十三 「火星兵団」
...ぶきみな笑いをもらすのでした...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...酔いどれの悪ふざけとして苦笑をもらすくらいのところであろう...
太宰治 「逆行」
...不用意にもらす言葉こそ...
太宰治 「道化の華」
...ほっと溜息もらすまも無し...
太宰治 「二十世紀旗手」
...けっして人にもらすでないぞ! 殿ご帰国のあかつきには...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...実際運動にたずさわった多くの人が最後の歎声をもらす...
豊島与志雄 「性格批判の問題」
...どうでしたと婆さんの問に敗余の意気をもらすらく車嘶(いなな)いて白日暮れ耳鳴って秋気来(きた)るヘン忘月忘日 例の自転車を抱いて坂の上に控えたる余は徐(おもむ)ろに眼を放って遥(はる)かあなたの下を見廻す...
夏目漱石 「自転車日記」
...おかみの溜息をもらす声が聞こえてきた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...むこうの対話をひとことでも聞きもらすまいとして...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...次のような計画をコン吉にもらすのであった...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...小夜鳴鳥(ナイチンゲール)の唄声をもらすために造られたかとも思はれるその可憐な口許は...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...日本服のものはもらすことなかりき...
森鴎外 「みちの記」
...何とはなしに吐息をもらすと...
横光利一 「榛名」
...自分も確に周章者のその一人だったとひそかに苦笑をもらすのだった...
横光利一 「旅愁」
...連れの武家が怒りをもらすと...
吉川英治 「新書太閤記」
...鬱懐(うっかい)をもらすように...
吉川英治 「宮本武蔵」
...――削っても削っても、木の中から、とうとう菩薩(ぼさつ)のおすがたが出て来なかったよ!」こう、われに回(かえ)って、嘆声をもらすと、武蔵は初めて、菩提(ぼだい)と煩悩の中間から地上へ放し落されたように、両手を頭の後ろに結んで、「だめだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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