...もはや適合しないことになつたのである...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...私の関心は、もはや、それだけであって、あとは、どうでもよくなったのである...
太宰治 「惜別」
...もはや人獣のこの浅ましい紲(きずな)から逃れ去ることはできなくなってくるのです...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...私は充分に酔っているので、もはや、食欲がない...
田中英光 「野狐」
...こういう下部構造が上部構造の一方的な――もはや交互的ではない――規定者となるということは...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...之に反して哲学はもはや実在ではなくて価値とか通用性とかいう...
戸坂潤 「科学論」
...何故ならば、この刻みは時間――歴史的時間――の内容自身から来るのであって、もはや、自然科学的時間に於てのように、この内容に対して外面的でも偶然的でもないだろうから(前を見よ)...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...それはもはや一のローカル的特色ではなくて...
豊島与志雄 「新たな世界主義」
...カトリック教ももはや邪魔物とはならなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...もはや其処には、お清も保子もなかった...
豊島与志雄 「反抗」
...もはや朝の珈琲(コーヒー)を持ってきてくれることがないだろう...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...もはや町方に掛り合いはない――といわれる...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...故に前にも述べたとおり己らの荘園からして全然地頭を斥(しりぞ)けようとはもはや試みぬかわり...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...もはや一人前に取り扱われてもしかるべき時期である...
平林初之輔 「「陰獣」その他」
...さめることでもはやかつた...
室生犀星 「汽車で逢つた女」
...一日もはやく来て下され...
室生犀星 「津の国人」
...このツクシにはもはや「継ぐ」という意味はなく...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...(一刻もはやく)と...
吉川英治 「親鸞」
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